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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第7章:神界大戦
第212話「戦闘とは名ばかりの……」
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築していたのだ。
 そして、その魔法は、本来はやての大魔力を以ってしても扱えないもの。
 神界という例外の場所だからこその、反則技だ。

「……かつて、古代ベルカには数多くの猛者がおった。シグナム達ヴォルケンリッターもその中の一つや。シグナム達はそんな猛者の中でも一際強かった。……でもな、一芸(一撃)に関しては、それ以上の騎士もぎょーさんおったねんで……!」

「再び、この魔法を見るとは、な……」

 アインスが感慨深げに呟く。
 夜天の書が闇の書になり、何度かの転生を経た頃。
 その時に蒐集を受け、その上で生き残った騎士が一人いた。
 その騎士は、ナハトヴァールの暴走の時に再び戦闘に身を投じ、今はやてが使った魔法を発動させ、その身を代償に当時のアインスを葬った。
 たった一撃で闇の書という強力な存在を打ち破る程の魔法。
 しかも、それはリンカーコアが破損している状態でだ。
 今のはやてによるそれは、その時以上の威力を誇る。

「一人の騎士が命を賭して使った大魔法、とくと受けてみぃ!!」

 流星の如く、極光が降り注ぐ。
 一発一発が、非常に強力だ。
 ザフィーラですら、防ぐのはおろか耐える事すら出来ないだろう。
 そんな魔法が、神々を蹂躙する。

「皆、行くで!!」

「レヴィ!小鴉に肩を貸してやれ!」

「りょーかい!」

 いくら負担を度外視出来るとしても、無意識下のダメージはある。
 そのため、ディアーチェが指示を出してレヴィがはやてを手助けする。

「すまんなぁ、助かるわ」

「安心するにはまだ早いよ!」

「その通りです」

「ッ―――!」

 直後、はやて達の前に複数の神と“天使”が立ち塞がった。
 同時に、弾幕がはやて達を襲う。

「ぉおおっ!!」

「通さん!!」

 咄嗟にシグナムとザフィーラが前に出る。
 シグナムが剣で逸らし、ザフィーラが障壁を展開し盾となる。
 遅れてシュテルが魔法で相殺を試み、ヴィータは攻撃を止めるために牽制を放った。

「あれでも、足止めにならへんのか……」

 確かに、確かにはやての放った魔法は強力だった。
 神の防御すらも貫く事は可能だっただろうし、実際防御の上から叩き潰していた。
 だが、ここは神界。ただの物理ダメージだけでは倒せない。

「(距離は縮まってる。このまま少しずつ近づけば……近づけば……)」

   ―――……それで、どうにかなるんか?

 ふと、そんな考えが脳裏に過る。
 そして、それは致命的な隙となった。

「っ……?」

『はやてちゃん!』

 リインの悲鳴が頭に響く。
 一瞬、はやては何が起きたのか理解が出来なかった。

「っづ、貴様……!」

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