第7章:神界大戦
第212話「戦闘とは名ばかりの……」
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それでも、精神的に疲れてくる。
背中合わせになり、軽口を叩きあうはやてとディアーチェも、肩で息をしていた。
「幸い、魔力は無限と言っても良い。常に全力の火力を放てる」
「せやな。おかげで、今までのストレスとかもなくなったわ。……それで打開出来ていれば、の話やけどな」
「敵も無傷という訳ではあるまい。このまま消耗戦になるとしても、倒せるはずだ」
牽制に大魔法を叩き込みつつ、二人は状況を分析していく。
「戦力差は圧倒的。覆すのは至難の業よな」
「けど、こっちは“諦める”を選択肢に入れられへん」
「となれば、突破しかあるまい」
“諦める”。それはすなわち、全てを捨てるに等しい。
実感が出来ていなくとも、今はやて達の双肩には全ての世界の命運が乗っている。
そんな状態で、“負け”だと倒れ伏す訳にはいかないのだ。
「ちらっと見えたけど、すずかちゃんや洗脳された人を助けに行くのは難しそうやなぁ」
「妨害を受けていないとはいえ、包囲が固められている。洗脳を解いたとしても手遅れだ」
「やっと助けたと思ったら完全包囲。……そんな絶望を味わわせるためやろな」
“助ける”という意志がある限り、簡単には敗北しない。
だが、助けた後、一つの目的を達成し安堵した所への絶望ならば、心を挫きやすい。
そのため、神や“天使”は洗脳された者の相手を妨害せずにいたのだ。
「唯一」
「ん?」
「唯一、アミタとキリエが抵抗している分、包囲が甘い場所がある」
「……それって……」
「ユーリとその騎士がおる場所だ」
例外として、ユーリの所だけは違った。
蹂躙されながらも必死にアミタとキリエが抵抗しているため、包囲され切っていない。
絶体絶命なのには変わりないが、それでも他よりはマシだった。
「一か所に固まっておれば、ある程度の抵抗はできる」
「戦力を一か所に固めるんやな?」
「さすがに小鴉でも理解できるか」
「当たり前や」
奇しくも、アリシア達やなのは達と同じように、はやて達もユーリ達がいる結界の方面に集まろうと考える。
「ぶっちゃけ、このままやとどうしようもない。ザフィーラの鉄壁の防御のおかげで、何とか耐え凌いでいるけど、それだけや。せやったら、少しでも手札を増やしたい」
「盾の守護獣らしい働きだが、あれでは肉壁も同然よな。我も同意見だ」
大規模な攻撃の全ては、ザフィーラが前に出て盾になる事で凌いでいた。
それだけでは余波は防げないが、はやて達が耐えるには十分だ。
だが、それもいつまでも続く訳でもなく、打開できる策もない。
故に、手札を増やすためにも一か所に固まるべきだと考えたのだ。
「だが、
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