第62話 リベールの思い出
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side:フィー
やっほー、フィーだよ。わたし達は現在王都グランセルに向かう定期船に乗っているよ、ラッセルの御蔭でリィンの力について少し分かったことがあるから今から教えるね。
結果的にはラッセルにもあの力が何なのか分からなかった。あの力の中に火属性の七曜の力が感じられたこと、その力の起点がリィンの心臓にあるという事しか分からなかったらしい。
「心臓か……胸に変なアザがあるのは知っていたが、まさかここがあの力を生み出しているなんて思いもしなかったな」
「そのアザって昔からあるの?」
「確かあったはずだ。ですよね団長?」
「ああ、俺がリィンを拾った時からそのアザは存在していた。だから俺にもそのアザが何なのかは分からない」
「そうなると、俺が覚えていない過去に何かあったって事か……」
リィンは自分の胸にある炎のような形をしたアザを気にしていた。リィンは幼いころに団長に拾われたんだけど、それ以前の記憶をすべて失っていたようなの。
わたしも昔の事は覚えていないからリィンの気持ちは分かる。もしかしたらその失われた記憶の中にあの力の秘密が隠されていたのかもしれないしね。
「そいつが普通じゃないって言うのは俺も見て分かった。こうなると医療施設を頼るよりそっちの関係者に聞いた方が良いかもしれないな」
「そっちの関係者って?」
「教会さ」
教会……ゼルリア大陸で広く信仰されている『空の女神エイドス』を奉じる宗教組織『七曜教会』の事だね。でも何で教会の話が出たんだろう?
「七曜教会には色々な行政機関があるがその中に『封聖省』というのがあるんだ。アーティファクトの回収や管理、または表沙汰にできない事件の解決など『裏』の仕事を担当している奴らがいて名を『聖杯騎士団』という」
「聖杯騎士団……」
「更にその中でも特別な力を持った12人の騎士……通称『守護騎士』と呼ばれる存在がいる。そいつらもリィンのような言葉では表せない謎の力を持っているらしいからリィンのあの力にも何か知っているかもしれない」
団長の説明にそんな組織があったんだと驚いた。まあどこの組織も大きくなればそういう事をする組織が必要にはなるよね、だからわたし達猟兵も仕事に困らないし。
「随分と七曜教会について詳しいんだね、団長」
「そのトップが元猟兵でな、俺の知り合いなんだ。性格は難ありだが実力で言えばこの大陸でもトップクラスだ、俺も正面切っては戦いたくねぇ」
「ルトガー殿にそこまで言わせるとは……」
団長が出来れば戦いたくないなんて言ったのはバルデル・オルランドやアリオス・マクレインといったこの大陸でも最高クラスの実力者ばかり。それに同等として扱われる辺り団長の知り合い
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