第62話 リベールの思い出
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んな年じゃない」
「子供扱いはしていないさ。告白を保留にしている俺が言うのもなんだけどフィーは素敵な女性だよ」
「えへへ……」
リィンてば告白してからちょっとストレートに言うようになったね。嬉しいけどちょっと恥ずかしいかも……
「ツァイスから帰ってきた後、俺達はオリビエさんに誘われてグランセルに向かい、そこでラウラと再会したんだよな」
「あの時はまさかこの国で二人に会えるとは思ってもいなかったがな」
「そうだな、久しぶりに会ったら綺麗になっていたからビックリしたよ」
「そ、そうか?私としてはそんなに変わっていないと思うのだがな……」
ラウラは髪をイジりながらモジモジとしている、でも顔は嬉しそうにしているね。
「それからラウラと一緒に武術大会に出ることになってジンさんと戦ったんだ、でも見事に負けてしまったな」
「うむ、ジン殿の実力はA級と呼ばれるのにふさわしい物だった。流派は違えど彼もまた私達の先を行く達人だ、いつかあの高みに私達も行けるといいな」
「武を究めた先にある高見か……あのロランス少尉など正にその道の頂点に最も近いと思える人物の一人だろうな」
リィンからロランスの話が出た瞬間、わたしとラウラの表情が真剣なものになった。
「彼は強かった。オリビエ殿を含めた私達4人でも、リィンの異能の力が暴走しても勝てないくらいに……」
「きっとアイツはまたわたし達の前に立ちふさがってくると思う。その時の為にももっと強くならないとね」
「無論だ。今度は負けはしない、このアルゼイドの剣を必ず届かせて見せようぞ」
ロランス少尉は何故かわたし達を見逃してくれたが、いずれ何処かでまた出会うような気がするの。何の根拠もないけど……
今はまだ弱いけどわたしもリィンやラウラと一緒に強くなりたい。そして今度こそ大切なものを守りたいと強く思った。
「楽しかったね、リベールでの思い出……」
「ああ、また来れるといいな」
この国に来て色んなことがあって色んな人と出会えた。猟兵だから簡単には来れないがまた来たいって思うくらいに素敵な国だった。
「……っておい、フィーの竿揺れているぞ」
「えっ?」
リィンにそう言われたので竿を見てみる、するとさっきまで何の反応がなかったわたしの持っていた竿が激しく揺れ始めた。
「わわっ……!」
「魚がヒットしたのか?良かったじゃないか」
「リ、リィン……逃げられちゃうよ……!」
「こりゃ大物だな。俺も手伝うよ」
「私も手を貸そう」
リィンとラウラに協力してもらってリールを巻いていく。
「もう少しだな、頑張れフィー!」
「んんっ……あと少し……」
徐々に魚との距
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