第62話 リベールの思い出
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ーゼがお姫様だったとしても彼女はわたしの大事なお友達だから」
「フィーらしいな」
それからエステル達に出会った事やレイヴンに絡まれたこと、孤児院が火事になったことやリィンに再会できた事など色んな体験を話した。
「孤児院を焼くなど酷いことをするものがいたものだ」
「全くだな、フィーがいなかったらテレサ先生達は焼け死んでいただろう。これを実行した市長も結局は黒装束達に利用されたようだが……」
「でも優しい人たちのお蔭で孤児院を復旧することができるようになったから良かったよね」
「ああ、学園祭で寄付金が集まった時には少し感動したな」
「助け合いか、素晴らしい話だな」
暗い話になってきたのでわたし達は学園祭について話すことにした。
「屋台も面白かったけど、一番の見どころは劇だったね。男女が役割を別々にしていたのが特徴的だった」
「つまり男性が女性役を、女性が男性役をしたのか?」
「そうだよ。エステルとヨシュアも参加したの」
「ヨシュアさんの姫姿は凄かったな、違和感が全くなかった」
「そなた達の様子を見ていると余程楽しかったのだな。学園祭か、わたしも見てみたかったよ」
わたしとリィンが劇について話しているとラウラは羨ましそうに呟いた。
「その時はラウラはまだ帝国にいたの?」
「いや、私は各国に武者修行の旅に出ていたんだ。確かその頃はカルバートで山籠もりの修行をしていたな」
「カルバートにも行ったんだ」
「うむ、旅をして色々なところに行くと様々な発見があって面白いものだ」
ラウラも色んな体験をしているんだね。とってもイキイキとした目でそう話しているんだもん、楽しくてしょうがないんだろうなぁ。
「ツァイスでも色々あったよね。最初はエステル達に届け物をして温泉に入って帰る予定だったのに、最終的にはアガット達がレイストン要塞に行く時まで滞在したんだっけ」
「ああ、ラッセル博士が誘拐されたりアガットさんが命の危機に陥ったりと休む暇もなかったからな」
あの時はいろんなことが立て続けに起こったからね、大変だったよ。
「まあティータと友達になれたし、温泉も気持ちよかったからプラマイゼロだけど」
「そういえば最初温泉のある旅館に行ったとき、宿を取れなかったんだよな。そうしたらフィーが拗ねねちゃったんだったっけ」
「それは……」
「ふふっ、普段はあまりそういう面を見せないそなたも子供らしい一面もあるのだな」
「む〜、二人とも意地悪……」
「ごめんごめん、冗談だよ」
ぷうと頬を含まらせて二人に抗議すると、微笑ましい物を見るような眼で見られて頭も撫でられた。なんか納得いかない。
「リィンとラウラはわたしを子供扱いしすぎ。もうそ
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