第62話 リベールの思い出
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人とも、俺はどっちかに優劣をつけてプレゼントをしたわけじゃないぞ。二人に似合うと思って同じ気持ちで渡したんだ。喧嘩はしないでくれよ」
「でもこれは譲れない」
「うむ、女の戦いだ」
「う、うう……そうだ!二人共、やることがないのなら釣りでもしないか?」
「釣り?」
リィンの提案にわたしとラウラは首を傾げた。どうして急に釣りがしたいなんて言ったんだろう?
「ああ、最近色々あって趣味の釣りができなかったからやりたかったんだ。もし二人が良ければだけど……」
「ん、わたしも釣りをしてみたいし良いよ」
「釣りか、レグラムにいた頃に何度か嗜んだことがあったな。まあ私は専ら泳ぐ方が好きだったからそこまで腕が良い訳ではないが」
「じゃあ何処かで釣竿をレンタルしてこようか。確かギルドの横に釣公師団があったな、そこに行けば借りれるはずだ」
釣りかぁ、リィンがしているのを見ていたことは会ったけど実際にやるのは初めてだね。少し楽しみかも。
(ふう、何とか誤魔化せたか。しかしフィーは兎も角ラウラまであんなに積極的になるなんて思いもしなかった。そういえば団長が言っていたな、女の子は男よりも精神的に成長が早いって……俺も早い所返事を決めないとな)
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「よっと。ここでいいかな」
グランセル城にある船着き場に一角に荷物を下ろすリィン、それに合わせてわたしとラウラも持っていた荷物を地面に置いた。
これは遊撃士ギルドの横にある釣公師団からレンタルして借りた釣り道具で、一通りの物が揃っている。簡易な椅子を地面に置いてバケツに水を入れた、そして意図に釣り針と餌をつける。
わたしはミミズをつけようとするが上手くいかないね。あっ、暴れちゃ駄目。
「ん、結構難しいかも……」
「まあ生きた餌を針に付けるのは難しいかもな。こうやるんだよ」
リィンに手伝ってもらい針にミミズをつけることが出来た。手を触れられたときにちょっとドキッとしちゃったのは内緒。
そして湖に糸を垂らして待つが一向にヒットが来ない。
「釣れないね……」
「まあ釣りは根気がいるからな」
「でもリィンとラウラはもう2匹も釣ってるじゃん」
「まあそこは経験としか……」
リィンとラウラはもう2匹釣っているが、わたしは未だにヒットが来ない。
「つまんない」
「おいおい、少しは待ってみろよ。そうすればいつかヒットするからさ」
「む〜、でも暇だよ」
「そうは言ってもな……」
「そうだ、暇つぶしにリィンがエステル達と出会った時の事を教えてよ」
「エステルさん達との?」
「わたしと再会する前の事は詳しく聞いてい
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