第62話 リベールの思い出
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離が縮まっていく。わたしは必至でリールを巻き続けて、そして……
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思い出話をしている最中に、わたしの竿に魚がかかってリィンやラウラととても大きな魚を釣り上げたの。それを釣公師団でアイテムと交換してもらいホクホク気分で釣公師団を後にした。
「ふふっ、釣りも楽しいね。こんな大物を釣り上げるなんて期待の新人が現れたって言われたしリィンより釣りの才能があるのかも」
「最初は退屈そうだったのに現金な子だなぁ」
「まあ魚を釣り上げた時こそ釣りの醍醐味とも言えるからな」
ふーんだ、意地悪なリィンの言う事なんて聞かないもんね。今度からわたしも釣りを趣味にしてみようかな?
「あれ?あそこにいるのってエステルとシェラザード?」
「何か言い争っているようにも見えるな」
ギルドの前でエステルが慌てた様子でシェラザードに詰め寄っていた。一体何があったのかな?
「シェラ姉!ヨシュアが……ヨシュアがぁ!!」
「分かったから落ち着きなさい!レイストン要塞に向かった先生にも連絡したから!」
「でも……!」
あの様子だと唯事じゃなさそうだね、少し話を聞いてみよう。
「エステル、どうかしたの?」
「あっ、フィー!」
エステルに声をかけると彼女は一目散にわたし達も元に来てわたしの手を握る。彼女の手はとても震えていて落ち着きがなかった。
「どうしたの、そんなに慌てて……ほら、落ち着いて深呼吸して!」
「そんなの無理よ!だって……だって……」
「まずは落ち着いて。じゃないと話が出来ないよ」
「ご、ごめんね……あたしったらつい慌てて……力いっぱい握っちゃって痛かったでしょ?本当にごめんね」
「良いよそんなの。それよりもどうしたの?」
「それがね、ヨシュアがいなくなっちゃったのよ」
「ヨシュアが……?」
わたしはヨシュアがいなくなったと言うエステルの言葉に、言いようの無い不安を感じてしまう。
でもきっとそれはこの後起こるわたしも経験したことのない、それこそクーデター事件すら霞む大きな問題に直面する前兆だったのかもしれない。
そう、リベール全土で何かを起こそうとするある組織との因縁の始まりが……
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