第百十二話 若狭も手に入れその六
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「少しにしています」
「節制してるんだね」
「その様にしています」
「そういえばあんた飲まない日も多くて」
桜子も言われて気付いた。
「お菓子を食べても」
「少しですね」
「一切れ位だね」
「その様にしています」
「本当に気をつけてるんだね」
「その様に」
「糖尿病は怖いっちゃ」
愛実も言うことだった。
「あれで死んだ人は多いっちゃ」
「左様ですね」
謙二は愛実にも応えた。
「まことに」
「だから気をつけることっちゃ」
「ならない様にですね」
「それが大事っちゃよ」
「その通りですね」
「ではっちゃな」
「はい、今日もです」
この日もというのだ。
「お菓子も召し上がりますが」
「一切れっちゃな」
「そうします」
愛実にも笑顔で応えてだ、そうしてだった。
謙二も他の者も最後に茶と菓子も楽しんだ、その様にして今は英気を養ってだった。次の日の朝から再びだった。
近江攻めを続けた、それでだった。
近江は順調に英雄達の手に落ちていった、陸路からだけでなく琵琶湖という水路を使うと余計にだった。
近江は攻めやすかった、それで近江は次から次に英雄達のものとなっていったが英雄はその琵琶湖を観音寺城の櫓から見て言うのだった。
「やはり水だな」
「そうだ、水を押さえるとな」
その彼に耕平が言った。
「陸と共にな」
「そうすると余計にな」
「攻めやすくだ」
そしてというのだ。
「商いをすることもな」
「しやすいな」
「その面でもな」
「水、川も湖もな」
「押さえていくことだ」
「その通りだな、しかし」
ここでこうも言った耕平だった。
「敵はどうもな」
「水のことをか」
「本当にわかっていなかったな」
「少なくとも琵琶湖のことをな」
「近江を領地にしていても」
それでもというのだ。
「それでもな」
「琵琶湖の水運はな」
「わかっていなくてな」
「我々のこの攻めにもだ」
琵琶湖を使ったそれもというのだ。
「為す術がないな」
「そういうことだ」
「敵の思わぬやり方で攻める」
英雄はこうも言った。
「それが勝つ秘訣だしな」
「そうだ、ではな」
「これからもな」
「琵琶湖も使っていくぞ」
「わかった」
英雄は幸正の言葉に頷いてだ、そうしてだった。
近江を琵琶湖からも攻めた、そのうえで順調に攻めていき遂にこの国を手中に収めた。するとだった。
英雄は自分達と主力についてだ、観音寺城で言った。
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