第百十二話 若狭も手に入れその五
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「幾ら飲んで食べてもです」
「最後の最後のね」
「お茶とお菓子は欠かせないです」
絶対にという言葉だった。
「それだけは」
「お坊さんはお茶が好きというけれど」
「それとお菓子はですね」
「それは本当のことなのね」
「般若湯も確かに好きですが」
仏教の言葉である、酒をこう呼んで飲んでいるのは昔からのことだ。
「しかしです」
「それ以上になのね」
「お茶は欠かせないです」
仏教にはというのだ。
「修行の時の目覚ましに」
「それでだね」
「そうです、若し眠くなると」
修行、その時にというのだ。
「よくないので」
「それでお茶を飲んで」
「お茶があれば」
そこからというのだ。
「お菓子もとなるので」
「それで、なのね」
「飲んだ後も」
日本酒と菓子は合わない、もと言えば日本酒を飲んだ後ではどうも菓子の味はわかりにくいがというのだ。
「それでもです」
「お菓子は欠かせないのね」
「絶対にです」
「そうなのね、ただね」
今も飲みつつだ、桜子は自分に話す謙二に言った。
「日本酒とお菓子はね」
「過ぎるとですね」
「身体によくないからね」
このことも言うのだった。
「そこは気をつけてね」
「糖尿病ですね」
「それだよ、怖いよ」
この病気はというのだ。
「一生もんだし」
「なってしまうと」
「足や目にくるし」
それにというのだ。
「しかもね」
「内臓にもですね」
「水を飲み過ぎて腎臓にくるとか」
それもというのだ。
「あるからね」
「よくあるお話ですね」
「そうそう、だからね」
「日本酒とお菓子は」
「本当にね」
それはというのだ。
「よくないから」
「気をつけています」
自分でとだ、謙二も答えた。
「拙僧の知り合いにもおられるので」
「糖尿病の人が」
「かなり苦労されています」
この病気になってしまってというのだ。
「日本酒と洋菓子がとかくお好きで」
「両方だったの」
「はい、どちらもです」
好きでというのだ。
「そのせいで、です」
「そのことを見ていますので」
「本当に気をつけなよ」
「ですから般若湯を飲んでも」
「それでもだね」
「飲まない日も置いていて」
そしてというのだ。
「それも多く。お菓子もです」
「食べない日もあるのかい?」
「それも置いて召し上がっても」
それでもというのだ。
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