第百十二話 若狭も手に入れその二
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「こうしてだ」
「食べることだね」
「そうだ、この癖もな」
鮒寿司のそれもというのだ。
「楽しんでだ」
「食べるべきだってことだね」
「そうなる、そして鮒寿司と共に飲む酒は」
今度は飲んで言った。
「これもまたな」
「美味しいっていうんだね」
「そうだ」
こうも言うのだった。
「だから今はな」
「この鮒寿司を楽しんで」
「酒も刺身もだ」
こちらもと言ってだ、そしてだった。
英雄は今度は酒を飲んでだった、あらためて言った。
「こうしてな」
「楽しむべきね」
「寿司にしてもな」
「そうね、そういえばあんた鮒寿司は」
「結構気に入っている」
こう言いつつそちらも食べるのだった。
「これでな」
「そうみたいね」
「面白い味だ」
こう言いつつ食べるのだった。
「これはまたな」
「鮒寿司はあれなのよね」
今度は香織が言った。
「作るのに手間がかかって」
「それだけに値もかなりだな」
「それでその分ね」
「独特の味でな」
「好きな人はね」
「好きだな」
「そうなのよね」
「作るのに時間がかかるっちゃから」
愛実が言うことはというと。
「高くてあまり食べられなくて」
「それでだな」
「握り寿司が出来たっちゃな」
「馴れ寿司の代わりとしてな」
「そうそう、江戸はね」
その江戸にいた桜子がまた言ってきた。
「馴れ寿司がないならって」
「そうそう食えないからだな」
「それならってなって」
「握り寿司が出来たな」
「そうなんだよ、あと鉄火巻きは」
鯉の刺身を食べ撃つだ、桜子はこちらの話もした。
「鉄火場で食べてたからね」
「手を汚さず傷みにくいからな」
普通の生魚と比べてだ。
「だからだな」
「そう、鉄火場で食べる様になって」
「この浮島でも食っていたしな」
鉄火場でだ、英雄が桜子を仲間にしたその鉄火場でもそこにいる者達が好んで手にして口にしていた。
「そういえばな」
「そうなんだよね、これが」
「お菓子もありますが」
鉄火場にとだ、良太も話に入った。
「それは、ですね」
「甘党の人のものでね」
「そうですね、そして」
「お酒もね」
桜子はその酒を飲みつつ話した。
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