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ある晴れた日に
523部分:空に星は輝いているがその十

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空に星は輝いているがその十

「あえてね。隠れてじゃないかな」
「隠れてか」
「それで裏手に」
「そうおもうよ。それで裏手から目的地にね」
「おい、じゃあよ」
「あれじゃねえのか?」
 竹山の話をここまで聞いた野茂と坪本が言った。
「最近のあいつが何をしてるのかな」
「わかるんじゃねえのか?」
「だよな、それだったらな」
「わかるよな」
 二人の言葉に坂上と佐々が頷いた。
「裏手に回ってか」
「それでな」
「ただね」
 ここで桐生は慎重に述べてきた。
「見つかったら終わりだよ」
「それじゃあここで見るのね」
「それがいいんじゃね?」
「確かにあまりいい趣味じゃないけれど」
「気になるよな」
「どうしてもね」
 皆あまりお世辞にも品がいいとは言えないが正道のその動向について謎を感じて仕方がなくその原因を突き止めたくて仕方がなくなっていたのだ。
「それじゃあすぐに」
「裏手に回って」
「それで」
「わかったわ」
 恵美も彼等の言葉に意を決した顔で頷いたのだった。
「それじゃあここまで来たらね」
「見極めるのね」
 茜が真剣な顔で恵美に問うた。
「ここで」
「そうしましょう。ここまで来たらね」
 そういうことだった。
「行くわよ」
「よし、それじゃあ」
「今から」
「けれど。注意しましょう」
 奈々瀬は皆が意を決した顔でそれぞれ言う中でこう述べた。
「見つかったらそれでお仕舞いだから」
「そうよね」
 静華の顔も何時になく真剣であった。
「あいつに見つからないようにね」
「じゃあ今から」
「すぐに」
 こうして全員で病院の裏手に回ることになった。しかしであった。
「ええと、裏手って」
「何処?」
 咲と凛が皆の中で困った顔になっていた。
「何か迷路みたいだけれど」
「そこに行くまでが」
「こっちよ」
 その中で明日夢が正面を指差す。彼等は廊下の中を彷徨っていた。
「裏手はね」
「あれっ、少年」
「知ってるの?」
「知らないわよ」
 凛と静華の問いにしれっと答える明日夢だった。
「だってここ通ったのはじめでだしマップなんて全然わからないし」
「それで何でそんなに自信たっぷりなのよ」
「どういう理屈?」
「勘よ」
 それだというのである。
「勘で言ってるんだけれど」
「こりゃまずいな」
「そうだよな」
 皆それを聞いて暗澹とした顔になった。
「これはな」
「勘なんてな」
「いや、こっちでいいよ」
 しかしここで竹山が言うのだった。

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