暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第9話 ホテル・アグスタ
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よりも先に。

「震離。流を連れて、シャマル先生の元へ。速く!」

「でも!?」

「大丈夫。一応手持ちの武装じゃきついけど、ギルも拾った。時間を稼ぐ! 行け!」

「……ぅん!」

 その言葉を告げると共に、響は左手に大剣をもってローブへと斬りかかる。
 ……ごめん、弱くて……何も出来なくて……!

 直ぐに地上へ。流の堕ちた位置に行くと。蒸せ返る程の血の匂い。既に赤く染まった地面と、服の上からでも分かるほどの出血量。
 そして、か細い呼吸の音。認識するよりも先に、飛びつくように側へと行った。

「……ッ! アーク、流の状態は!?」

[……脈がどんどん弱くなっていっています。このままだと]

「わかった、アーク! 全力で止血してて、私が連れてくから!」

[お願いします。マスター……どうかマスターを助けて下さい……お願いします]

 願いを聞いて。私は流を打き抱えて、空へと上がる。こうやって抱いてる状態でもどんどん血が溢れて。もう私の手は流の血で赤く染まってる。流の顔を見ても。真っ白で文字通り血の気が無い。私が……私が気さえ失わなければ……! 少なくても流にここまで怪我させなかったのに……ッ!

「……ぅ……ぁ」

「ッ!」

 そんなこと考えてる場合じゃない。今は。今は! シャマル先生の元へ! 急がないと! できるだけ揺らさないように、それでいて全力で空を駆ける。死なないで。死なないで死なないで死なないでお願いだから……っ!
 
「スターズ6より、ロングアーチへ! アンノウン襲来によりスターズ5が撃墜されました。ライトニング5が現在交戦中。救援を求む!」

 こんなことしか出来ない自分が……何も出来ない自分が、ただ悔しい……!



――side響――

 震離が流を連れて、後退していくのを確認する。さて。

「おい手前ぇ、覚悟決めてんだろうな?」

「……フフフ」

 笑ってやがる。まぁ、説得に応じるとは思えないしな。

「痛い。痛い痛い。これが痛み!」

「あ?」

「礼を言う!」

「あぁ?」

 何だこいつ? 胸抑えて震えてると思ったら、今度は笑ってやがる。何だ?
 
 というか、ローブのせいでわからんが、こいつ……女か。ボイスチェンジャー使ってんのか知らんがノイズ混じりで性別わからんかったが……マジか。

「誰も、愚作共ですら私に痛みを与えることも出来なかったのに、よもや、まさか、こんな所で!」

 ……何いってんだこいつ?

「あは、あははははははははは! あははははははははははは! 良いわ良いわ! 最高よ貴方ァ!」

「……知らねぇよ」

 とりあえず。なんだコイツ――

「遊びましょう?」

 
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