第二章
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ともなくそう声がするや、数十もの光る矢が現れてアリア…アリシアの体に突き刺さった。これには流石のアリシアも防ぐことが出来ず、叫び声を上げてその場に崩折れたのである。
そこへ姿を見せたのは、アルテナム公の元へ行っていたルーファスとアルモスであった。
「ったく、無理すんなっつぅの!」
ルーファスはそう言うや立て続けに詠唱し、瀕死の二人へと魔術を行使した。二人の体は忽ち回復し、それを見たアリシアは余りのことに叫んだ。
「馬鹿な!なぜお前がその術を行使出来る!」
「知らねぇよ!」
ルーファスはそう返し、ウイツとヴィルベルトの前に立ってアルモスに「二人を護れ。」と命じるとアルモスは「お任せ下さい、我が主。」と返した。
そうして後、ルーファスは睨み付けるアリシアと対峙して言った。
「二人を傷付けた代償、此処で支払ってもらうぜ?」
「ぬかせ、小童!」
そうしてルーファスとアリシアは同時に魔術を行使したが、ルーファスの方が早く術が完成し、アリシアはもろにその術を喰らう事になった。
その術は…。
「な…っ!」
それを受け、アリシアは驚愕した。
「な…まさか…お前…」
目の前のアリシアは、見る間に老いてゆく…いや、止めていた時が凄まじい速度で彼女に還っているのである。
そう、ルーファスが行使したのは"解呪"の魔術であった。
「有り得ぬ!魔術師の解呪では魔は解け…」
そこまで言ったかと思うと、彼女の躰は一気に朽ちてしまい、首が取れて床に落ち…それさえも塵となって霧散した…。
「だから…知らねぇっつってんだよ…。」
ルーファスは溜め息混じりに、アリシアがいた場所を見詰めて忌々しげに言ったのであった。
ルーファスの後ろで、ウイツとヴィルベルトは全てを見ていたが、余りのことに呆気に取られていた。
アリシアの力は…恐らくコアイギスを上回っていた。いや…最盛期の大妖魔にも匹敵していた可能性があった。それを…解呪で倒したとなれば、ルーファスの力は途方も無いことになる。
魔術には法則があり、格上には効きが悪いか通じないか…そうした術が多い。解呪も同じであり、同格以上でなくば作用しないのである。異例があるとすれば、相手が術を受け入れると宣言した時だけである。
だが、目の前で起こったこれは、純粋に力によるものであった…。
その事については、ウイツも考えていた。神聖術以外では不可能な「治癒」術からしても、ルーファスは完全に行使することが出来る。
あのコアイギスにしても、ルーファスの様に治癒術を行使することは出来ない。だが、コアイギスはそれをルーファスには教えていない。ルーファス自身、未だ魔術の転用との理解なのである。
いや…実際は気付いているのかも知れない…。
「師匠…ありがとうございます。」
「ヴィー、え
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