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魔術師ルー&ヴィー
第二章
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 ヴィルベルトは自らを叱咤する様に大きな声で返答し、二人は共に先を急いだ。
 塔は五階はあろう大きなもので、その壁には蔦が這い、一番上は木々の間から僅かに見える程度であった。
「陣があるのは何階だい?」
「恐らく最上階だと。」
「分かった。それじゃ、行こう。」
 そうして二人は塔の中へと入った。
 不思議なのは、あれから…サミュエルらと別れた後から、ずっと妖魔が現れない。いや、現れはするが、然したる数ではないのだ。その上、塔の中は陣があると言うのにも関わらず、全く妖魔の気配は無かった…。
「不気味だな…。」
 ウイツはそう言うや、塔に罠が無いかを魔術で調べたが、それらしいものもまるでなかった。気にしても仕方ないと、二人は陣が描かれているであろう最上階を目指した。
 二階を過ぎた辺りから、二人は妙な気配を感じ始めた。威圧的な大きな力…上を目指す二人に妙なプレッシャーが掛かる。
「何だ…この肌を刺す様な…。」
「はい…。ずっと感じてますが、まるで師匠が怒った時の様な感じです。」
 ヴィルベルトの言葉に、ウイツは悪寒を感じずにはいられない。
 ルーファスが本気で怒ると手が付けられない。その上魔術の制御が出来なくなり、辺り一体を吹き飛ばすことさえある…。
 隣を歩くヴィルベルトは、そんなルーファスの感覚に似ていると言う…。
「なる程…。」
 ウイツは唸る様に言う。ただ、そう返すしか出来なかった。
 その後、その妙なプレッシャーと戦いながらも、何事もなく二人は最上階へと辿り着くことが出来た。
 しかし…そこに着くや、二人の目の前には妖魔ではなく、一人の赤毛の女が姿を見せた。
「貴女…アリアさん!」
 そこで待ち構えていたのは、ベズーフのギルドで受付をしていた女性…アリアであった。
「彼女が…!」
 ヴィルベルトの言葉に、ウイツも直ぐに反応して身構えた。
「なぁ〜んだ…三下しか来なかったんだ。残念…。」
 身構えている二人の魔術師にそう言うや、アリア…アリシアは二人に向かって軽く手を振った。すると、途端に二人は見えない力に吹き飛ばされ、そのまま塔の壁へと叩き付けられた。
「死んでもらうわね。どうせここのジジイから全部聞いちゃったんでしょ?マルクアーンに筒抜けじゃあ詰まらないし。」
 そう言うや、彼女は面倒くさそうに手を振る。すると、二人の肋は折れて肺に刺さり、声も出せなくなってしまった。二人の口からは血の泡が出て、魔術を行使しようにも痛みで精神が混濁し、術式を構築することすら二人には出来なくなっていた。
「ほんと、三下じゃ詰まらないわね。防御の魔術は使ってた様だけど、この程度なんてねぇ…。それじゃ、さようならっと。」
 そうしてもう一度彼女が手を振ろうとした時であった。
「光よ、矢となりて撃て!」
 何処から
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