暁 〜小説投稿サイト〜
魔術師ルー&ヴィー
第二章
]U
[3/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
もあり、ルーファスも幼い時分に何度も会っていたのである。
「爺さん、元気そうだな。こんな時にしか来れねぇで悪かったな。」
「何を言うか。こうして大事の時に駆け付けてくれる…どんなに心強いことか。さ、早ぅ中へ。」
 四人は招かれるまま執務室へと入るや、大公にもノイス家で話した様に全てを話した。
「そうであったか…。来て早々悪いが、アルテナム公とレーレン公の元へ向かってはくれまいか。各々有能な魔術師団を擁しておるが、今回は妖魔の数が数だけに、かなり苦戦を強いられておる様じゃ。行ってくれんかのぅ…。」
「心配すんなよ、爺さん。なら、俺とコイツでアルテナム公んとこへ向かう。ヴィーとウイツはレーレン公んとこへ向かってくれ。」
 ルーファスがそう言うと、三人は何も返すことなく頷いて了承したのであった。
「万が一…お前達で抑え切れぬのなら、バーネヴィッツ公から王へ進言してもらい、こちらに応援を頼む手筈になっておる。故に、無茶だけはしてくれるな。」
 心配そうにそう言うゴッドフリートに、ルーファスは笑みを返した。
「分かってるって、爺さん。そんじゃ、行ってる。」
 そうしてルーファスらは再び移転の間へと行くや、初めにルーファスとアルモスが、次いでヴィルベルトとウイツがそれぞれの戦いの場へと飛んだのであった。
 その頃、レーレン公の館では、圧倒的な妖魔の数に危機を迎えていた。
「己…こんな老いぼれでも、昔はこの剣と魔術でお前達を数多屠ったものよ!そう易々と殺られてなるか!」
 そう叫びながら妖魔を端から倒しているのは、レーレン公サミュエルである。
 齢七十を越えてはいるが、その腕は衰えを知らない。しかし、数が数だけに、多勢に無勢であった。
「アッカム!そっちはどうじゃ!」
「ミラルがやられました!公は早くお逃げ下さい!」
 無数の妖魔が襲い掛かる中、サミュエルも魔術師達も必死で抵抗しているが、横で仲間が倒されても助けるだけの余裕はなかった。だが、サミュエルは諦めてはいない。
「馬鹿を言うな!仲間を見捨てたとあっては末代までの恥!」
 そう言うや、サミュエルは剣で妖魔を薙ぎ払いながら詠唱し、大規模な炎の魔術を行使した。それにより飛来する妖魔の数は減り、その隙にアッカムらの元へと駆けて行った。
「大丈夫か!?」
「はい、助かりました。しかし…。」
 空を見上げれば未だ数え切れぬ程の妖魔の群れ…地を見れば無数の妖魔の死骸と何人もの仲間の変わり果てた姿…。
 アッカムは絶望にも似た気持ちでサミュエルへと言った。
「公よ、どうかお逃げ下さい。貴方さえご無事なら、国は安泰なのですから。」
「まだ言うか!儂よりお前達の方が大切じゃ!未来を担うのは、お前達であって儂の様な老いぼれではないのだぞ!」
 そうしている間にも、妖魔は容赦無く襲い掛
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ