第五十三話 おさづけの理その八
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私は詰所の四階に行きました、おやかたにある奥華の詰所は七階建てで二階は男の人三階は女の人の修養科や詰所とかで働いている人が住んでいて四階から六階が普通の信者さんがおぢばに帰って来た時に泊まらせてもらう場所で七階は物置です。私は四階のお部屋を一時借りました。
そこで制服を脱いでからおつとめ着に着替えました、黒い着物を着てそうして一階に戻りますと阿波野君が言ってきました。
「素敵ですね」
「似合う?」
「物凄く似合ってますよ」
こう言ってくれました。
「本当に」
「だといいけれど」
「いやあ、いつも見ていたいですね」
こんなことも言ってきました。
「夏冬の制服姿、それに法被姿と一緒に」
「それっていつもの服じゃない」
とはいってももうすぐ卒業なので制服は終わりですけれど。
「何が珍しいのよ」
「いつもでもいいんですよ」
「そうなの?」
「はい、それでなんですが」
「ええ、このおつとめ着姿もなのね」
「とても似合ってますから」
だからだというのです。
「詰所でのおつとめの時も着て下さいね」
「あっ、詰所でのおつとめは法被だから」
白石さんは阿波野君にこう突っ込みを入れました。
「阿波野君には残念だけれどね」
「あっ、実際凄い残念です」
本当に残念そうに言う阿波野君でした。
「それはまた」
「そういうことだからね」
「じゃあ法被姿になられる時に」
私を見ながら言いました。
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