第四十七話 義に従いその七
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「この者達と共にです」
「お供にして」
「そしてですね」
「それで、ですね」
「社に参られますか」
「そうされますか」
「はい、そして」
そのうえでと言ってだ、そしてだった。
景虎は参拝に向かった、そして晴信もだった。
幸村と十勇士達にだ、こう言った。
「少し参拝に行くからな」
「それがし達がですか」
「供を頼む」
こう言うのだった。
「よいな」
「承知しました」
是非にとだ、油井村は晴信の言葉に応えた。
「それではこれより」
「供の者をつけずとな」
「それではですな」
「危ういしな、次郎達もじゃ」
信繁達もというのだ。
「あれこれ言うしな」
「はい、お館様に何かあればです」
幸村もこう答えた。
「当家にとって危うきこと」
「そう言われるからな」
「是非です」
何といってもという言葉だった。
「それがしと十勇士達がです」
「供をしてくれるな」
「お館様にです」
それこそと言うのだった。
「誰が来ようとも」
「指一本じゃな」
「触れさせませぬ」
まさにと言ってだ、それでだった。
幸村は十勇士達と共に晴信の傍についてそうして川中島にある神社に向かった、そうして山にあるその社の入り口山の麓でだった。
ふとだ、彼は女の様な顔立ちの麗しい者と出会った、その者もまたお付きの者を十人程連れていたが。
彼はすぐにだ、幸村達に告げた。
「お主以外はな」
「はい、この場で」
「休んでよい」
「それでは」
「よいですか」
景虎もまた兼続に声をかけた。
「貴方以外はです」
「この場で、ですな」
「お休み下さい」
こう言うのだった。
「何もせず」
「そのうえで」
「はい、そして」
そのうえでと言うのだった。
「貴方はです」
「共にですね」
「神社に参りましょう」
「それでは」
「宜しいか」
晴信は景虎に毅然とした声で言った。
「拙者はこれよりこの社に参るが」
「わたくしもです」
「共にとなりますな」
「これも何かの縁ですね」
「ですな、では」
「共に参りましょう」
二人は向かい合い話してだ、そしてだった。
彼等は社の石の階段を幸村そして兼続と共に一段一段登っていった、その途中に晴信から景虎に対して言った。
「一目でわかり申した」
「わたくしもです」
景虎もこう答えた。
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