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ドリトル先生と姫路城のお姫様
第七幕その十

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「今はね」
「スキー場にも打ち上げられる様になって」
「それでだね」
「定着したね、冬の夜空の花火も」
「絵になってね」
「いいものだって思える様になったんだ」
 今の日本ではというのです。
「変われば変わるね」
「そうだね、花火工場の人も大喜びだね」
「冬も花火が売れる様になってね」
「そうなったからね」
「いい商売元が出来たね」
「本当にね」
 まさにというのです。
「いいことだよ」
「花火工場の人達には」
「そして花火職人の人達にもね」
「いいお仕事先だね」
「夏だけで冬はどうなのかってなっていたのが」
 まさにというのです。
「変わったんだ」
「じゃあ今太宰がいたら」
「その作品を書くにしても」
「タイトルは違っていたね」
「そうなっていたと思うよ」 
「どんなタイトルになっていたかな」
「ううん、ちょっとわからないね」
 そう言われるとどうにもでした、先生も。
「それは」
「冬のお素麺かな」
「お素麺は夏に食べるしね」
「そうなるかな」
「それはどうかな、ちょっと違うんじゃないかな」
「じゃあ向日葵かな」
「向日葵も夏だしね」
 このお花もです。
「実際に」
「それか朝顔とか」
「そう言われるとか」
「そんなのかな」
「最近はね」
 先生はまた言いました。
「朝顔も向日葵もね」
「どちらの夏のお花もだね」
「ビニールハウスの中だと」
「あっ、ビニールハウスの中は暖かいしね」
「日差しもいいしね」
 普通に冬の自然の中にいるよりも遥かにです。
「だからだよ」
「そうしたお花も育つね」
「そうだよ、ビニールハウスはいいものだよ」
 こうも言う先生でした。
「お陰で冬でも夏のお野菜や果物が食べられるよ」
「旬のものでなくてもね」
「確かに旬のものが一番美味しいけれど」
 それでもというのです。
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