第百十一話 都からその十
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「その兵種がある」
「敵にそれを見せるとな」
「警戒して動きを制限させたりも出来る」
「あるだけで有利に立てるのう」
「そうだ、攻める手段が多いとな」
多ければ多いだけというのだ。
「守る場合もだが」
「敵に有利に立てるぜよ」
「だからだ」
「あるだけでもじゃな」
「いい場合もある」
この場合もというのだ。
「そしてだ」
「そのうえでじゃな」
「ここはだ」
「使わんな」
「そうする」
こう言ってだ、そのうえでだった。
詠湯は今は騎馬隊は使わず鉄砲や弓矢、術、そして槍の兵達つまり徒歩の者達を使ってそうしてだった。
近江の軍勢を攻めた、鶴翼で徐々にだった。
囲み半月状に圧迫しつつ攻める、ここでは数それに装備がものを言いへどちらも圧倒的に劣る敵はというと。
次第に圧されそうして退いていった、一旦退くとだった。
潰走に移った、英雄はこの時に智に言った。
「ではだ」
「ここで、でござるな」
「そうだ」
まさにという返事だった。
「騎馬隊でだ」
「追撃じゃな」
「逃げる兵に騎馬隊を突っ込ませ」
そうして攻め手というのだ。
「致命的な打撃を与える」
「そうするでござるな」
「だからだ」
ここで、というのだ。
「頼む」
「それでは」
智は英雄に頷いて応えた、そしてだった。
智が率いる騎馬隊は潰走する敵軍を追ってその後ろから散々に打撃を与えた、それで彼等は致命的な打撃を受け這う這うの体で逃げ出し捕らえられた者達も多く出た。英雄はその捕らえた兵達についても言った。
「後で正式に軍勢に組み入れるが」
「今はたいな」
「そうだ、それは敵を完全に降してだ」
「越前も若狭もたいな」
「完全に組み入れてからだ」
それからだというのだ。
「だからだ」
「今はたいな」
「捕虜にしてだ」
その立場でというのだ。
「見張りの兵を付けてな」
「空いている城に入れて」
「飯をやってな」
そうした手配もしてというのだ。
「静かにさせておく」
「そうするたいな」
「後で軍勢に組み入れるのは絶対だがな」
それでもというのだ。
「今はだ」
「捕虜たいな」
「そうだ」
この立場にしておくというのだ。
「死んだ者は徐々にだが蘇らせてな」
「そちらもたいな」
「捕虜にする」
その様にするというのだ。
「やはりな」
「そうたいな」
「四万の敵軍の半分を討つか捕虜にしました」
今度は紅葉が言ってきた。
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