【願いの先へ】
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ぶんぶん振って拒否するヒナタ。
「出来ないのか……、じゃあやっぱり俺の知ってるヒナタ様じゃないな……」
「あ、あなたも私の知ってるネジ兄さんじゃない、です……。まるで、別人みたいで……どうしちゃったんですか…??」
「それはこっちの台詞だけどな……。もっとこう、ヒナタ様の服装はオープンに──いや、清楚系にそれを求めてもしょうがないか」
小さく呟いて残念そうに溜め息をつく別人らしきネジ。
「あの、ひとつ……聞いていい、ですか?」
「ん、構わないけど何だ? (大人しそうで控え目なヒナタ様もいいもんだな……。いや、けどやっぱり気の強いヒナタ様に足蹴にされたい)」
「ど、どうしてにやけてるんですか……?」
ヒナタは少し気味悪がって、別人らしきネジから一歩身を引く。
「(ま、まずい、引かれてる……。こっちの控え目なヒナタ様が知ってる別人の俺というのは、色目でヒナタ様を見てないって事か……生真面目な奴だなぁ)」
「えっと、聞きたいのは……あなたの知っているヒナタって、どんな人ですか?」
「どんなって……まぁ君とは性格は正反対な感じかなぁ。あっちは露出も気性も激し目だし」
「(そ、そんな私なんて……全然想像出来ない……)」
「才能も一族の中で誰よりもあって、日向の次期当主でもあるし……俺は回天うまく使えないけどヒナタ様はほぼ完璧に使いこなせてるしな」
「??──」
ヒナタはそれを聴いて言葉を失った。……まさに、自分とは正反対だ。ヒナタ自身が欲したとしても決して得られなかったものを、もう一人の自分はほぼ全て持っている。
「あの、もう一つ……分家の方達が額に刻まれる、呪印制度は──」
「呪印制度? 何だいそれは。俺は分家だけど、そんなもの刻まれた事ないな」
何も刻まれていないすっきりとした額に片手を当て、首を傾げる別人側のネジ。
(このネジ……さんは、呪印が消えたんじゃなくて、始めから刻まれてないんだ。宗家の白眼を守る為の呪印制度なんて、無くたっていい。……私が願った所で、ネジ兄さんの呪印は消えてくれるわけじゃない。ネジ兄さんの呪印が消えたら、それは死を意味してしまう。日向の呪印なんてネジ兄さんの額から消えてほしいのに、死してしまう意味なら消えてほしくない、なんて──)
自分の矛盾した思いに嫌悪して俯くヒナタ。
「(とにかく俺の方のヒナタ様は強気に見えて寂しがり屋だからなぁ……、俺が居なくて陰で泣いてるんじゃないだろうか、心配だ……)」
「──?っ」
「(!? 控え目なヒナタ様の方が、泣いてる……?)」
はらはらと涙を流すヒナタに、別人側のネジはおろおろする。
「私……情けないなぁって、やっぱり……。“私
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