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ドリトル先生と姫路城のお姫様
第七幕その三

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「それと福井のお城は前は北ノ庄城だったけれど」
「あそこも五層の凄い天守閣があったそうだよ」
「そうだったんですね」
「そして安土城だね」
「ああ、最初の五層の天守閣ですね」
「あのお城は天主閣と書くけれどね」
 先生はお話しながらこの辺りが実に日本語らしいとも思いました、同じ読み方でも漢字が違い意味も違ってくることがです。
「あのお城が本当にね」
「最初の本格的な五層の天守閣ですね」
「そう、天主閣でね」
 それでというのです。
「あそこからはじまったんだよ」
「そうでしたか」
「だからね」
 それでというのです。
「あのお城についてもね」
「調べてみますか」
「うん、そしてね」
 さらにお話する先生でした。
「日本のおもてなしは」
「もう凄いね」
「細かいところまで気が付いて」
「もうこれぞって言う様な」
「凄いものだから」
「日本のおもてなしは」
 動物の皆も言うことでした。
「果たしてそこから考えると」
「どんなものがいいかしら」
「具体的には」
「そうだね、まず音楽と踊りは欠かせないね」
 この二つはというのです。
「ご馳走とお酒は言うまでもないし」
「あっ、そういえば」
 ここで王子はあることに気付きました、そしてその気付いたことを今先生に対してすぐにお話しました。
「お客さんもお姫様も」
「どうしたのかな」
「うん、日本で生まれ育ってるよね」
「それも僕達よりずっと長くね」
「だったら和食はね」
「そして日本酒もだね」
「少し離れてみる?」
 こう提案するのでした。
「ここはね」
「そうだね」
 先生も王子のその提案に頷きました。
「ここはね」
「確かに和食は美味しいしね」
「姫路は近くに明石があって海の幸も豊富でね」
「山もあってね」
 こちらは六甲の山です。
「海の幸も山の幸も揃うよ」
「その通りだね」
「けれど」
「そこをだね」
「あえて和食にしないで」
 お姫様達が和食に慣れていることからというのです。
「他のお料理にしていこう」
「中華やフレンチだね」
「イタリアやスペインもあるし」
「トルコ料理もいいね」
「うん、とにかくね」
「和食からだね」
「思い切って離れて」
 そしてというのです。
「考えていこうね」
「それじゃあね」
「でしたら」
 ここでトミーが言ったことはといいますと。
「思い切ってフランスかイタリアで」
「そちらのお料理でいくんだね」
「そういうお国でどうでしょうか」
「そうだね、どちらも海の幸も山の幸も使うし」
「スペイン料理もですね」
「かなりいいね」
「ブイヤベースやアクアパッツァやアヒージョで」
 それでと言うトミーでした。
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