第ニ話 交流会(前)
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るのはルール違反だ。それと数人で囲むことも、承諾無しの異性間接触もだ。事前に配布されたプリントくらい目を通しておけ」
そう警告した氷絃は掴んでいた手を離すと、その男子生徒は舌打ちをして睨み返してきた。
「……おい、止めとけ。行くぞ」
「チッ……」
「…………」
だが、多くなってきた生徒たちに怪訝な視線を向けられた三人はそれ以上なにもすることなく二人から離れていった。
「大丈夫か?」
「は、はい!」
「友達がいるなら合流した方がいい。始まったら中等部上がりも先輩もさっきみたいに来るからな」
「ご丁寧にありがとうございます……えっと……」
恐らく名前を尋ねたいのだろうと直感した氷絃は簡潔に自己紹介をする。
「……阿國氷絃。同じ一年生だ」
「阿國くん……わ、わたしは碧周静流です。本当にありがとうございました」
「気にするな。それじゃあ、また縁があったらな」
氷絃は静流と別れ、冴空の方へと向かう。彼女は二人の生徒と楽しげに会話をしている。話している二人を見て、此方はナンパではないことが氷絃は理解する。
「よう、隆太に羽矢」
「氷絃、ダメじゃないかお姫様を置いてっちゃ。ちゃんと仕事しなよ騎士様」
「そーだよヒート! 元々可愛かったサラっちが更に可愛くなったんだから番犬がどっかいっちゃダメだよー!」
「挨拶くらい返せよお前ら……」
穏やかな口調で茶化したのは勢登隆太。口調と同じく見かけも優男といった感じが伝わってくる。
元気な茶化したのは石須羽矢。『魔女候補』なのだが、背がそこそこ高く、胸も大きいという『魔女体質』らしからぬ外見だ。
二人とも中等部からの氷絃と冴空と特に仲の良い友人だ。
「氷絃くん、もしかして人助けをしてましたか?」
「……あー……一応? アレって人助けに含まれるか……?」
冴空の鋭い勘に驚きながら、氷絃は頭を掻いて肯定とも否定とも取れない曖昧な返答をする。
「男の子に囲まれてた女の子を助けるのは十分人助けですよ?」
「……もしかして見てたのか?」
「いいえ? ずっとお二人とお話してました。当たっていましたか?」
「……当たってる。凄いな、冴空」
「氷絃くんのことなら目を見れば二割くらいはわかります、えへん!」
「俺の幼馴染が世界で一番可愛い……!」
冴空は自慢気に、魔女体質故にあまり無い胸を張ってドヤ顔をする。氷絃はそれで完全に魅了されたようだ。
その後ろからちょいちょいと羽矢が氷絃の裾を引っ張る。
「美少女アイドル羽矢ちゃんとどっちが可愛いー?」
「冴空に決まってんだろうが、冴空を見る邪魔をするな。角刈りにして剃り込み入れるぞ」
「ひっ
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