第7章:神界大戦
第211話「吠えよ叛逆の力」
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“意志”が左右する神界において、神界以外の存在は弱い訳ではない。
戦闘が“戦闘”として成り立つように、少なからず神界も他世界の影響を受けている。
つまり、状況によっては他世界の存在が神界での事象を塗り潰す事も可能なのだ。
「(……何か、きっかけがあったんだね)」
知ってか知らずか、神夜はそれを実行していた。
魅了や洗脳に対する“怒り”が、神の圧倒的強さを“些事”と捉え、無視していた。
その結果が、神の攻撃を悉く凌ぎ、圧倒している事だった。
「(いいね。その“感情”。私もあやかろうかな)」
体勢を立て直したアリシアは、神夜のその様子を見て一つの霊術を用意する。
それは神界の戦いに備え、とこよと紫陽が編んだ特殊な霊術。
“意志”を通して効果を発揮する、この状況に打ってつけの霊術だ。
「……示す意志は“怒り”」
術式起動のための言葉を紡ぐ。
“意志”を汲み取るため、まずはその対象を指定する。
「術式、起動。“意志鏡映力成”」
鏡のような霊力が神夜を包む。
「その“意志”、借りるよ!」
「アリシア……?」
訝しむ神夜だが、それより先にアリシアが術を発動させる。
「吠えよ叛逆の力!!」
アリシアの眼前に術式が浮かび上がる。
神夜の“意志”を汲み取り、その力が剣となり、矢となる。
「神を穿て、“Rebellion Mistilteinn”!!」
怒りを表す赤を纏った極光が、放たれた。
「ッッッ………!!?」
その威力に、極光を放った本人であるアリシアすら仰け反った。
「この程度!」
「(まずい……!)」
同時に、アリシアは“これではダメだ”と思った。
今相手にしている神は、先程赤い極光を放っていた。
他にも、炎の霊術など“赤”に関するものは当然のように無効化していた。
中にはそのまま投げ返してくる事さえあった程だ。
その上、先程は赤い雷を纏い、襲い掛かって来た。
「(少なくとも、“赤”が関係していると効かない……!)」
そこから推測するに、相手の神は赤に関する“性質”があるのだと考えられる。
そして、今放ったのは赤を纏った極光だ。
アリシアの推測が正しければ、それも無効化されてしまう。
「な、に―――!?」
果たして、その推測は半分当たり、半分外れていた。
威力が段違いだったのか、込められた“意志”が強かったのか、神は戸惑った。
それだけでなく、受け止めた状態で押されていたのだ。
「馬鹿な、これほどの“意志”を……!?」
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