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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第7章:神界大戦
第211話「吠えよ叛逆の力」
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を突っ切った神夜は、その勢いのまま、神を殴りつけた。

「ご、ぉ……っ……!?」

「っ、ぁあっ!!」

 殴りつけ、頭を掴み、真下へ投げつける。
 直後、魔力弾を先行させ、さらに砲撃魔法で追撃する。

「追撃ぃ!!」

「っ、了解!」

「ッ……!」

「あいよぉっ!」

 叫ぶような神夜の指示に、アリシア達もすぐに反応する。
 神が叩きつけられた場所へ、フェイトの魔力弾とアリシアの霊術を先行させる。
 ほぼ同時に、アルフがバインドを放ち、拘束を試みた。

「合わせろ!」

「オーケー……!」

「わかった……!」

 間髪入れず、アルフ以外の三人で肉薄。
 アルフに拘束を任せ、三人で近接戦を仕掛ける。
 アリシアは武器を斧に変え、フェイトもザンバーフォームに変え、攻撃重視にする。
 そして……

「ぉおおおおおおおっ!!」

「やぁあああああ!!」

「はぁああああっ……!」

 斬る、斬る、斬る……!!
 神夜の剣が、アリシアの斧が、フェイトの大剣が。
 神の再生を許さないように、体を切り刻む。
 それだけじゃない。三人の気合を込めた一撃一撃が、神の“意志”を削っていく。
 力量で勝っていてもそれで戦闘に勝てる訳ではないと、知らしめるように。

「ぉおおお、ぉおおおおおおお……!」

「「っっ……!」」

 爆ぜる。理力が衝撃波となり、三人を吹き飛ばす。
 同時にアルフのバインドも解けてしまう。
 一手。たった一手で状況が覆されてしまう。

「―――弾けろ、赤雷!」

「ッ、まずっ……!」

「バルディッシュ!」

   ―――“扇技・神速”
   ―――“Blitz Rush(ブリッツラッシュ)

 咄嗟にアリシアとフェイトは速度強化の霊術及び魔法を使う。
 直後、その速度すら上回る勢いで、敵の神が動いた。

「ぐっ……!」

「ぁあっ……!」

「(速すぎて、バインドで捉えられない……!)」

 辛うじて、最低限の防御は間に合うが、アリシアとフェイトは吹き飛ばされる。
 アルフがバインドで阻止しようとしたが、そのスピードは捉えられなかった。

「神夜……!」

 間髪入れずに、神は次の相手を狙う。
 その対象は、当然ながら神夜だ。
 刹那の間、フェイトは神夜を案じて名を呼び……

「ッッ!!」

 ……そして、神夜の拳が神を捉えた。

「……速いからなんだ?強いからなんだ?……それがどうした?」

 憤怒を抱えた瞳で、殴り飛ばした神を見下ろす。

「それで俺の怒りが収まるとでも?」

「こいつ……!」

 神夜が優勢になっているのは、偏に“怒り”が強いからだ。
 
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