第7章:神界大戦
第211話「吠えよ叛逆の力」
[3/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
」
それを見届けた神夜は、少し周囲を見渡し……砲撃魔法を放った。
「ぐっ……!」
「沈め!」
魔法を放った先には、横槍でトドメが刺せなかった先程の神。
フェイト達も遅れて反応し、バインドで拘束して動きを止める。
その間に神夜は肉薄して頭を掴み、地面に叩きつけた。
それだけじゃなく、その上から斬撃と魔力弾。さらには砲撃魔法を叩き込む。
一つ一つの攻撃に“意志”が籠っていたため、間もなくその神は気絶した。
「……凄い……」
戦闘に一段落着き、フェイトが呆然とした様子で呟く。
「……まだ戦えるか?」
「……もちろん」
肩で息をしながらも、神夜はフェイトに尋ねる。
その問いに、フェイトははっきりと答える。
「よし、行くぞ」
「さっきの……今までよりも遥かに速く動けていたけど……」
「……さっき、何人かが一斉に洗脳されただろ?」
さっきの強さが気になったフェイトが移動しながら尋ねる。
先行して背中越しに神夜は語りだす。
「俺も、その影響を受けた。元々、あの魅了の力があの神の仕業だったんだろう。だから、そこから俺も洗脳される所だった」
「……“だった”?」
神夜の様子からして、正気なままなのはフェイトにも分かっていた。
そのため、すぐに聞き返す。
「ああ。……“意志”で抵抗出来た。洗脳される時、俺の中の思考も、感情も、何もかもが弄られるような感覚……あれが嫌だった」
「それは……」
神夜の言いたい事は分かる。
何せ、魅了が解けた後のフェイト達も同じような思いをしたからだ。
「……あぁ、本当に嫌だった。今でさえ、怒りで狂いたくなる。……あんな事を、俺に無自覚にさせていた事含めて……ふざけるなと……!人の思いを、なんだと……!!」
「っ……!」
「神、夜……」
握り拳から血が流れる程に、神夜は怒りと悔しさから拳を握っていた。
洗脳に関して“お前が言うな”と言おうとしたアルフも、その様を見て息を呑んだ。
「俺がこう思う資格なんて、皆を魅了していたんだからないとは思う。……でも、許せない。許せないんだよ。だから、さっきは……」
今まで無自覚とはやってきた事だからこそ、許せない。
その想いが、神夜の背中からありありと感じ取れた。
「……大丈夫」
「え……?」
「神夜がそう思うのはおかしくないよ」
だからこそ、フェイトは神夜を“肯定”する。
この場において、神夜も被害者だ。
いつまでも蟠りを持っていても仕方がない。
「(……やっぱり、神夜は神夜だ。あの時から、ずっと変わってない)」
そして、同時に安心していた。
あの時、自分の
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ