ターン12 鉄砲水の異邦人
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纏った剣士が音もなく間合いを詰め、燃え盛る太刀をさながら逆鱗に触れられた龍のごとく怒涛の勢いで、それでいて舞を踊るかのような優雅ささえも感じられる動きで5度振るう。咄嗟に手にした王笏で応戦しようとするサラキアビスの全身に、突如青いオーラが立ち上った。
「ネレイアビスは自身を手札から捨てることで場か手札の水属性モンスター1体を破壊して、その攻守の値を発動時に選んだ水属性モンスター1体に1ターンの間だけ加算できる。僕が破壊するのは攻撃力2500、カイザー・シースネーク!」
「悪くない手だが……まだ戦神には遠い!不知火流・龍玉五連斬!」
一時的に劇的なパワーアップを果たしたとはいえ、不知火の剣士の技量はそれをなお上回る。反応速度こそ間に合いはしたものの、辛うじて初撃を受け止めたところであっさりと力負けしてそのまま流されるように病的なほど白いその柔肌が切り裂かれていく。
戦神−不知火 攻4300→水精鱗−サラキアビス 攻1600→4100(破壊)
清明 LP4000→3800
「くっ……!だけど、サラキアビスには更なる効果があるもんね。相手によって破壊されたこの瞬間にデッキから水属性モンスター1体を墓地に送り、その後墓地の水属性モンスターを守備表示で蘇生する!」
「そんなことは承知の上さ。そしてアンタのデッキの傾向と今の盤面から考えて、選ばれるモンスターはまず1択。だがな、アタシはさらにその上を行く。チェーンしてトラップ発動、幻影騎士団ロスト・ヴァンブレイズ!このカード幅のレベルを持つモンスター1体を対象として発動し、その攻撃力600を削ったうえでレベルを強制的に2に変更、そしてこのカード自身を攻守0のモンスターとして特殊召喚するのさ」
「なるほど、ダメージステップでも攻守変動が効果に含まれていれば発動はできる……ってわけね」
「理解が早くて助かるな。そしてアタシがこの効果を使うのは戦神、お前だ!」
戦神−不知火 攻4300→3700 ☆8→☆2
幻影騎士団ロスト・ヴァンブレイズ 守0 戦士族→アンデット族
鬼火に包まれたとうに着込む者もいないボロボロの鎧が、地の底からゆっくりと浮かび上がる。
「お姉様、いったい何を……?」
いくら攻撃を終えた戦神だから攻撃力ダウンの影響も皆無とはいえ、このタイミングで特に戦闘に参加できるわけでもないロスト・ヴァンブレイズの発動。一見不可解に見えるプレイングに、しかし当の清明は思い切り苦虫を噛み潰したような表情を浮かべていた。
「もう……!本当、ほんっとにやりづらい……!このタイミングでそんなカードをわざわざ使うってことは、もう何を落とすつもりかわかってるんでしょ?」
「ああ、まあな。だけどアタシがやりづらいんじゃない、アンタの行
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