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遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン12 鉄砲水の異邦人
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るだろうし、常により強い相手を求め続ける。誰にも見られないように心の中で小さく苦笑し、条件反射で返そうとした皮肉を飲み込んでもう少し素直な言葉を探す。

「……ありがとな。その褒め言葉、素直に受け取ってやろうかね。さて、ユニゾンビの効果を使ったターン、アタシはアンデット族でしか攻撃宣言が行えない。でもな、だからってΩを遊ばせておくのももったいないよな?せっかくこうしてアンタの陣地に連れてきてもらったんだ、今度はアタシの領土に案内してやるよ。生あるものなど絶え果てて、死体が死体を喰らう土地。アンデットワールド、発動!」

 そして、周囲の風景がまたも一変する。近未来的な海辺の街には重くて黒い暗雲が果てしなく遠い水平線の向こうまで切れ目なく立ち込め、その海の色はこれまでの青から一転して血の赤色へと染められていく。何匹もの魚が腹を上にしてその水面へとぷかりと浮かび、水中の何かに引きずり込まれでもしたのかまた血の奥底へと沈んでいく。立ち並ぶビルや舗装された道路は風と共にみるみるうちに荒廃し、ゴーストタウンと化したそのメインストリートを何匹もの骨ネズミがギイギイと聞くものを不快にさせる鳴き声と共に駆け抜ける。
 そんな恐ろしげな風景を、しかし見学中の少女は熱に浮かされたような表情で見つめていた。この荒涼として、それでいて混沌とした景色にあってこそ、領土の主たる糸巻の美しさはもっとも色鮮やかに輝く。現役時代から変わらない、幾人もの女性を本人の与り知らぬところで虜とした……いうなれば破滅の中にあってこそ光り輝く魔性の美である。

「ここがアタシの領土、アンデットワールドだ。そしてこの場所に生者は相応しくない、このカードがある限り互いの場、及び墓地のモンスターには全員アンデットになってもらうぜ」

 イピリア 爬虫類族→アンデット族
 PSYフレームロード・Ω サイキック族→アンデット族
 水精鱗−サラキアビス 海竜族→アンデット族

 全身を強化スーツで包むΩは、その内面はともかく外面だけは一見アンデットワールドの影響など受けていないようにも見える。それとは対照的に目に見えて変化が起きたのが、清明のフィールドにいる海の女王だった。サラキアビスの健康的な肌色はみるみるうちに青白く変化していき、その瞳だけがただ血の色に赤く紅く輝きを放つ。舌なめずりする口元からは、先ほどまで影も形も見えなかった鋭い犬歯が覗いていた。

「サラキアビス!」
「おっと、心配してる余裕なんてないだろう?バトルフェイズ、ここは……戦神でサラキアビスに攻撃!」
「なら、ここでサラキアビスの効果発動!相手ターンに手札を1枚墓地に送ることで、デッキアから仲間の水精鱗1体をサーチする。そしてこの攻撃に対し、手札から今サーチした水精鱗−ネレイアビスの効果を発動!」

 炎を
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