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遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン12 鉄砲水の異邦人
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と変化する。そしてそこに佇む2体の魚が、同時に青い渦となって上空へと吸い込まれた。

「僕は魚族モンスターのマーメイド・シャーク及びサイレント・アングラーの2体を、それぞれ左下及び右下のリンクマーカーにセット!一望千里の大海洋に、忘却の都より浮上せよ女王の威光!リンク召喚、リンク2!水精鱗(マーメイル)−サラキアビス!」

 やや縮れ気味なその髪と同じ紫色のビキニアーマーに、黄金の輝きを放つトライデント状の王笏。その姿は一見すると極めて人間に近くはあるが、その海のように深い色を湛えた瞳はやはり彼女の人外性を強く物語る。

 水精鱗−サラキアビス 攻1600

「そしてフィールドに存在するカードが墓地に送られたことで、ウォーターフロントには壊獣カウンターが1枚につき1つ乗せられる」

 その言葉に反応するかのように、背後にそびえ立つ灯台に光が灯った。先端から放たれる2筋の光が空を裂き、遥か海の果てへとKYOUTOUの位置を示す。

 KYOUTOUウォーターフロント(0)→(2)

「モンスターがいないのは結構だけどね、ならこっちも好きに攻撃させてもらうよ。サラキアビス、ダイレクトアタック!」

 サラキアビスがその王笏を掲げると、先端から目もくらむような輝きが放たれる。Ωが退避したことによりその身を守るモンスターの存在しない糸巻に、その輝きが直撃した。

 水精鱗−サラキアビス 攻1600→糸巻(直接攻撃)
 糸巻 LP4000→2400

「ちっ……」
「お姉様!」

 小さく舌打ちする糸巻に、ほとんど悲鳴のような声が出る八卦。無論このデュエルに「BV」の出る幕はなく、ダメージの実体化もありはしない。それはわかっていても、憧れの対象がダメージを受ける光景は気味のいいものではないのだろう。

「カードをセットして、これでターンエンド。まんまとしてやられたお返しは、まだまだこんなもんじゃないからね。反撃開始と洒落込ませてもらうよ!」
「はっ、寝言は寝てから言ってくれや。たかがリンク2の1体出した程度でドヤ顔か?アタシのターン、ドロー!このスタンバイフェイズ、アタシのΩはフィールドに戻る。アンタのサルベージはまあ、運が悪かったと思って諦めな」

 PSYフレームロード・Ω 攻2800

「さて、と。このまま攻撃してやってもいいんだが、それじゃいくら何でも芸が足りないよな?まずは通常召喚だ、来い、イピリア!この爬虫類はなかなかできた奴でな、1ターンに1度場に出た際、アタシはカードを1枚ドローすることができる。そして墓地から馬頭鬼の効果発動、除外して不知火の陰者を蘇生!」
「また……!」

 イピリア 攻500
 不知火の陰者 攻500

「ああ、また、さ。このまま効果発動、アンデット族の自
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