ターン12 鉄砲水の異邦人
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ドル。確か地獄の暴走召喚、なんてのも使ってたよな?グレイドルの能力で相手モンスターの数を減らしたうえで相手フィールドに押し付けた壊獣のデメリットを逆手にとって、地獄の暴走召喚で自分だけがモンスターを大量リクルートする。確かにえげつない戦術だ、それはアタシも素直に褒めてやるよ。だがな、そのどれもがまず最初に相手フィールドにモンスターが存在しなければ真の実力を発揮できない弱点を抱えている。それをよく理解しているからこそアンタは、このデュエルで後攻を取ろうとした。違うか?」
「最初っから計算づくだった、と?」
「さあて、な。どちらにせよ、アタシは先攻が欲しかったのさ」
飄々とうそぶく赤髪の夜叉に、まんまと踊らされた清明が手札に目を落とす。視線の先にあるそれは壊獣か、あるいはグレイドルか……いずれにせよ、Ωの退避によって何らかの計算を狂わせたことは間違いないだろう。だが、それだけでは夜叉の一撃は止まらない。
「そして、だ。今のΩで除外したアンタのカードは……通常魔法サルベージ、墓地の攻撃力1500以下の水属性2体を手札に回収するカードか。さすがにそれを返すわけにはいかないよなぁ?トラップ発動、バージェストマ・レアンコイリア!このカードはゲームから除外されたカード1枚を選択し、それを持ち主の墓地に送り込む。アタシが選ぶのは当然、今除外されたサルベージだ。これで次のスタンバイフェイズが来ても、もうそのカードがアンタの手札に戻ることはない」
「ぐわっ!?」
モンスターとトラップの連続コンボにより、徹底的に昨日見た限りで掴んだ清明のデッキの強みを潰していく糸巻。だがこれは、別に彼個人に対しメタを張った結果ではない。彼女の使ったカードはどれも彼女自身が普段から愛用しているものであり、デッキの柔軟性はいささかも損なわれていない。彼女は自分にとれる戦術を最大限のやり方で叩きこむために先攻を取り、彼はまんまとそれに引っかかった。ただそれだけのことだ。
「……まだまだぁ!マーメイド・シャークを召喚、効果発動。このカードが召喚にしたとき、デッキからレベル3から5の魚族を1体選んで手札に加えることができる。そして自分フィールドに水属性モンスターが存在するとき、今サーチしたサイレント・アングラーは手札から特殊召喚できる!」
しかし、清明にもまた彼なりの意地がある。次善の策とばかりに呼び出されたマーメイド・シャークから手札を補充し、すぐさまフィールドに2体のモンスターを整える。
マーメイド・シャーク 攻300
サイレント・アングラー 守1400
「そしてフィールド魔法KYOUTOUウォーターフロント、発動!」
拳を握り締める彼の背後に音を立てて巨大な灯台がせりあがると、周囲の風景もまた水辺に面した近未来都市へ
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