ターン12 鉄砲水の異邦人
[4/19]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
》フレームロード・Ω!」
全身を強化服ですっぽりと包む超能力戦士。細かなプラズマをその全身から放ちつつ空中浮遊するその顔が動き、今回の敵である清明の姿を捉えたその目がフルフェイスヘルメット越しにギラリと光った。
☆4+☆4=☆8
PSYフレームロード・Ω 攻2800
「……手札1枚からレベル8のシンクロモンスターとはね。なかなかやってくれるじゃない」
「もっと褒めてもいいぜ。あいにくと何も出ないがな!カードを3枚伏せて、ターンエンドだ」
「なら、何か出すまで揺さぶってみようかね。僕のターン、ドロー!」
初手に糸巻の場で空中仁王立ちするPSYフレームロード・Ωに、3枚もの伏せカード。一見するとそれは、除去と制圧の蔓延する現環境においてはあまりに時代錯誤な布陣に見えるかもしれない。実際清明自身はそう捉えたのだろう、まるで恐れる様子もなくカードを引く。
……だが、彼はすぐに思い知ることになる。糸巻太夫がなぜ夜叉の名で呼ばれるに至ったのか、その実力の一端を。
「おっと、まずはスタンバイフェイズだ。Ωの効果発動!除外されているアタシのカード、馬頭鬼を選択して墓地へと埋葬し直すぜ。さあ、もう1度墓場で出番を待ちな!」
「また馬頭鬼……まあいいさ、まずはこのターンだもんね。メインフェイズに移って」
「まあ待てよ、ここでもう1度待ったをかけさせてもらう。メインフェイズ開始時、Ωの更なる効果を発動!ランダムに選んだ相手の手札1枚と場のこのカードを、次のスタンバイフェイズまでフィールドから除外する!」
「げっ!?」
0と1のノイズを後に残して電脳戦士の姿が電子の海へと消えていく。そしてそれを見た清明の表情が、すぐに取り繕ったとはいえ明らかに1瞬強張った。
「思った通り、これは予想外だったかい?」
「……やってくれるじゃないの……!」
にやにやと笑う糸巻に、同じく笑い返すも明らかにその表情には余裕の足りていない清明。まだよく自体の呑み込めていない八卦が、隣にいた鳥居に小声で問いかける。
「あの、鳥居さん。お姉様のフィールド、モンスターいなくなっちゃいましたよ」
「確かに。でも八卦ちゃん、これでいいんだ。だって……」
「待ちな鳥居、そいつはアタシが答えるよ。清明、アンタのやらかした最大のミスは、アタシの前で鳥居とのデュエルを見せたことだ。それもワンキルとはいえ、かなりデッキ内容を絞るようなものをな」
黙って耳を傾ける清明に、一字一句聞き漏らすまいと真剣にお姉様の講釈に聞き入る八卦。少なくとも外面だけは少年少女に囲まれて、糸巻の声が朗々と響く。
「デッキ内に2体の壊獣が必要となる妨げられた壊獣の眠りを採用できる程度には多い壊獣カード、それに手札コストとして捨てていたグレイ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ