ターン12 鉄砲水の異邦人
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悪いっすよー」
「おう、八卦ちゃん!……うるせえ鳥居、後攻ワンキルが何言ってんだこのやろ」
ファンに応じて対応はきっちり変える。いわば客いじりの基本、プロの常套手段のひとつである。糸巻も無論、その技能はしっかりと押さえている。
「アウェーだねえ。しゃーないか」
「そりゃまあな。なんなら、先攻は譲ってやろうか?」
「いやいや、レディーファーストでお先にどうぞ」
ランダム機能は使用せず、先攻の押し付け合いにより結局は糸巻が先手を取る。そして、すでにこの時から心理戦は始まっていた。実はこのデュエル、互いの思惑は偶然にも一致していた。どうにか後攻の欲しい清明と、うまいこと先攻の欲しかった糸巻……その構図が、勝負の始まる前からできていたのだ。にもかかわらず彼女があえて最初に先攻を譲ることを示唆したのは、こうして彼の警戒を誘い相手の自由意思により確実に先攻を取るためである。
「後悔するなよ?アタシのターン。不知火の陰者を召喚!」
そして望みどおりに得た先攻1ターン目、先陣切って召喚されたのは数あるアンデット族の中でも随一の実力を誇るデッキエンジン。とくれば、ここから先の動きは目を閉じていても暗唱できる。
不知火の陰者 攻500
「陰者の効果発動!自分フィールドのアンデット族1体をリリースすることで、デッキから守備力0のアンデット族チューナー1体を特殊召喚できる。ユニゾンビを特殊召喚し、そのまま自身の効果発動。モンスター1体を選択してデッキからアンデット1体を墓地に送り込み、選んだモンスターのレベルを1上げる。アタシが選ぶのは当然ユニゾンビ自身、デッキから選ぶのは当然馬頭鬼のカードだ」
ユニゾンビ 攻1300 ☆3→☆4
「出たな、糸巻さんのド定番コンボ」
「定番……確かに以前お姉様とデュエルさせていただいたときも、この動きは見たことがあります」
「なら話は早い。よーく見とくといいよ、別にこれは糸巻さんだけの専売特許じゃない。アンデ使い全員の常識みたいなもんさ」
外野がわちゃわちゃと喋るのをよそに、糸巻は迷いない動きでカードを動かしていく。
「墓地から馬頭鬼の効果発動、自身を除外することで墓地から別のアンデット1体を蘇生する。来な、不知火の陰者」
不知火の陰者 攻500
「なるほど、それでもう1回リクルートってわけ?」
「馬鹿言うなよ、冗談はロンファだけで十分だ。なにせ、こいつのリクルート効果は1ターンに1回しか使えないからな。だが、これでアタシの場にはチューナーとそれ以外のモンスターが出揃った。レベル4の陰者に、同じくレベル4となったユニゾンビをチューニング。戦場潜る妖の電子よ、超越の脳波解き放て!シンクロ召喚、|PSY《サイ
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