ターン12 鉄砲水の異邦人
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からリクルートが目的だった、ってわけ?でも、どんなモンスターが出てこようともクモグスにターン制限はない。壊獣カウンターはまだ残ってる、みんなまとめて縛鎖してやるまでさ!」
威勢よく啖呵を切る清明だが、それを糸巻は笑い飛ばす。
「はっ、そりゃあ一理ないな。確かに並みのモンスターなら、この場で出しても縛られちまうのがオチだろうよ。だが、こいつは一味違うぜ?アタシが呼ぶのはレベル8、死霊を統べる夜の王。来な、死霊王 ドーハスーラ!」
アンデットワールドに巣くう死霊どもが、一斉にその王の帰還を讃える嘆きの歌を歌う。生者の心を荒ませるその悲鳴のような泣き声のようなもの悲しい響きの満ちる中、とうの昔にボロボロに風化してあちらこちらでむき出しの地面がのぞくかつてのメインストリートを湿った重いものを引きずるような音と共に恐るべき死霊の王がやってきた。
死霊王 ドーハスーラ 攻2800
「ならもう1度クモグスの効果発動、縛鎖!」
「させるか、ドーハスーラの効果発動!」
再び指令を受けたクモグスが、またしても大量の糸を噴出させてその新たなる獲物を縛り上げようとする。だがその瞬間、ドーハスーラがその手に持つ杖を振り上げた。見るものを幻惑させる光がその先端に灯り、その光に誘われてアンデットワールド中からどこからともなく、戦闘にも参加できずデュエルに影響を与えることもできないほどに低級な死霊が電灯に集う羽虫のようにうじゃうじゃと集まってくる。
そしておもむろに、十分な数の死霊が集まったところでドーハスーラが自分へと向かってくる糸の奔流へと杖を向ける。集まっていた死霊どももまたその動きに吸い寄せられるように音もなく動き、そんな死霊の肉盾に糸が命中して四散した。
KYOUTOUウォーターフロント(3)→(1)
「クモグスの効果が……え?だぁから、そんなの知ってるなら先に教えてってば!自分で失敗して体で覚えろってのはよくわかったから、たまにはもうちょっと甘やかしてくれたっていいじゃない!」
驚愕の表情から一転、突然明後日の方向を向いてぷんぷんと怒り出す清明。とはいえそれは本気で怒っているわけではなく、どちらかといえば動物がじゃれているだけのようにも見えた。
ただ問題は、いるはずのその相手が糸巻たちには影も形も見えなかったことだけだ。
「えっと……あの人、誰と喋っているんでしょう……?」
「聞いてやらないほうがいいと思う。妄想癖は刺激しない方が安全だから」
さすがの純真な少女も、目の前で突如繰り広げられたこの一幕にはやや引き気味となる。逆に鳥居が割と本気で彼と距離を取ろうとしているのは元からなので、その態度にはあまり変化がない。もとより長いプロ生活で様々な奇行を見慣れてきた糸巻も、形のいい眉を小さくひ
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