ターン12 鉄砲水の異邦人
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を持つスパイダー・シャーク。そしてモンスターの召喚、特殊召喚に反応して壊獣カウンターを消費することで、1ターンの間そのモンスターの攻撃と効果を封じ込めるクモグス。対する糸巻の手札はこれから引くドローを合わせても、その枚数はわずか2枚。そのフィールドにはモンスターも伏せカードもなく、あるのはアンデットワールドただ1枚のみ。仮にこの盤面を100人に見せて判定させたとしても、そのうち100人ともが清明が優位だと判断するだろう。
だが、それでも。
「なら、アタシもいよいよ本気出さないとな。アタシの……タアァーンッ!」
「お姉様!」
どれほど追い詰められて追い込まれようと、糸巻太夫の闘志が陰ることはない。それどころか逆境をそのまま燃料に、さらに激しくその炎は死霊の土地に燃え盛る。
遊野清明のデッキは、その使い手の決して諦めず最後までデッキを信じる心に応えて逆転の一手をもたらした。ならばどうして、それと同じ奇跡を彼女に起こせない道理があるだろうか?果たしてこの土壇場で引いたカードを見た彼女は、喉の奥で低く笑った。
「残念な話だが、このデュエルも今度こそ終わりみたいだな。スタンバイフェイズに速攻魔法、逢華妖麗譚−不知火語を発動!手札のアンデット1体を捨てることで、それとは名前の異なる不知火1体をデッキか墓地から特殊召喚できる!」
「墓地……戦神!」
「ああ、そうさ。甦れ、戦神!」
再び2刀を手に墓地から蘇るは、浄化の炎纏いし火焔の剣士。その背後には、先ほどのターンで墓地に送られた青い古代生物の姿が半透明の霊体となって浮かんで消える。
戦神−不知火 攻3000
「特殊召喚に成功した戦神の効果で、墓地からアンデット族になったアノマロカリスを除外することでその攻撃力を吸収する。不知火流・火鼠の皮衣!」
「クモグスの特殊能力、縛鎖!壊獣カウンター2つを消費して、このターン戦神を封じ込める!」
もう1法の蜘蛛が糸を吐き、粘性の高いスパイダー・シャークの糸とはまた異なる硬質なそれが今まさに炎の衣をその身に宿そうとしていた戦神の全身をギリギリと縛り上げる。長くはもたない封印ではあるが、ほんの一時的にだけでもその体は完全に身動きが取れなくなった。
KYOUTOUウォーターフロント(5)→(3)
「これで……」
「いや、甘いな。なぜなら、アタシの狙いは戦神の蘇生じゃない。この瞬間に手札コストとして墓地に送られたモンスター、グローアップ・ブルームの効果を発動!墓地のこのカードを除外することでアタシのデッキからレベル5以上のアンデット1体を選択し、そのカードをサーチする。ただしこの発動時にアンデットワールドが存在する限り、アタシはそのサーチを場への特殊召喚に変更することができる」
「最初
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