ターン12 鉄砲水の異邦人
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る意義は薄い。彼の腹は決まった。
「……使わない!さあ、なんだか知らないけど呼んでみなよ」
「おお、望みどおりに呼んでやるよ……だがその前に、このトラップの発動に直接チェーンすることで墓地に存在するバージェストマ・レアンコイリアの効果を発動!墓地からこのカードを、レベル2のモンスターとして特殊召喚するぜ?ただしこの効果で特殊召喚されたカードは、墓地に送られる場合に除外されるがな」
「蘇生?それは……止める。下手に残すと遺恨が残るからね、ガメシエルの効果発動、渦潮!壊獣カウンター2つをコストに、発動したカード効果を無効にして除外する!」
一見すれば、これこそ止めるまでもないかに見える一手。しかし、清明にも考えがあった。彼はいまだ新マスタールールの概念に触れて日が浅いが、リンクモンスターの持つ底知れない実力はこの短い日数でもよくわかっていた。増えた戦略と新たな概念は、それだけ彼のデュエルを高みに押し上げたからだ。
それを念頭に置いたうえで、このレアンコイリアの発動である。条件さえ満たせば緩い条件から自己再生が可能であり、除外デメリットもエクシーズ素材とすることで関係を断ち切ればリセットされる。ここで止めなければ恐らくあのカードは蘇生後にそのままエクシーズ素材となり、そしてもう1度トラップに反応して復活したのち、次なるリンク召喚やシンクロ召喚、悪くすればまたもエクシーズ召喚に使われて何度でも素材として帰ってくるだろう。今後の展開まで考えるとここはガメシエルの効果を打つ価値がある、そう判断したのだ。また糸巻の手札は残り1枚であり、何を握っていたとしても抑えきることは可能との状況判断もある。そして主の命に応えたガメシエルが大きく天に吼えると巨大な水の渦がその手の内から巻き起こり、糸巻の墓地からレアンコイリアのカードを跳ね飛ばした。
KYOUTOUウォーターフロント(5)→(3)
「悪いけど、後に繋がるそのカードは通せないよ」
「やってくれたな……なんて言ってやりたいとこだがな。あいにくアンタはもう、かなりデカいミスをやらかしたんだよ」
「えっ?」
怪訝そうな顔になる清明。にやりと浮かべた糸巻の笑顔に嘘はないことを、敏感に察知したのだ。
「大方ガメシエルの守備能力ならランク2程度じゃ太刀打ちできないとでも踏んだんだろうが……甘いぜ!ワンダー・エクシーズの効果によりアタシはエクストラモンスターゾーンのレベル2となった戦神、そして同じくレベル2のロスト・ヴァンブレイズ及びイピリアの3体でオーバーレイ!」
「素材3体のランク2……!」
「こりゃ出るか、糸巻さんの真打!」
「お姉様、頑張ってください!」
LOVEなどと書かれたうちわでも振り回しそうな勢いで顔を興奮のあまり真っ赤にしつつ飛び跳ねて応援する八卦の声
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