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緋弾のアリア ──落花流水の二重奏《ビキニウム》──
緋が奏でし二重奏 X
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勝手に何処かに行くわけにもいかない。
そんな想いを雑多に巡らせているうちに、機体はいつの間にか、静止していた。……それでも、滑走路の直線からは少しだけズレてしまった、ちょっとだけ間の抜けたような格好をして。
それが今の自分には面白く思えてしまって仕様がなかった。アリアも同じなのか、2人して顔を見合わせて、笑みを堪えている。同時に堪えきれなくなって、十数秒くらいは馬鹿みたいに笑っていた。「彩斗と一緒になら、本当に何でもできそうに思えてきた」そんなことを言いながら。
ひとしきり笑い終えると、爛々とした赤紫色の瞳と視線が合った。 どうせなら、あの時──バスジャックの時に直接言えなかった言葉を、代わりにここで言おう。何がなしにそう思い至る。
「「──ねぇ」」
そのタイミングは、どうやらアリアと同じだったらしい。また零れてしまいそうな笑みを堪えながら、刹那の間を空けて、お互いの瞳を見据えて、2人して口を開いた。
「「──ありがとう」」
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