第五十三話 おさづけの理その四
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「もうお花買ってるとか」
「あっ、買ってないです」
「だといいけれど」
そう言われて少しほっとしました、幾ら何でもお花まで貰ったら正直どう言っていいのかわかりませんでした。
「そこまでしてくれなくて本当にいいのよ」
「それじゃあおめでとうございますって言わせてもらいます」
「それだけで充分だから」
このことを言いました。
「本当にね」
「それじゃあそういうことで」
「ええ、あとね」
「あと?」
「阿波野君は二年後よ」
このことを伝えました。
「そのことはわかっていてね」
「置くが三年生になった時に」
「その時にお話を十回聞かせてもらって」
「そうしてですよね」
「そうよ、ようぼくにならせてもらって」
「そこからですね」
「はじまるのよ」
天理教の人、つまりようぼくとしてです。
「物凄く大事なのよ」
「そうですよね。その時まで僕も伏せ込ませてもらいますね」
「そうしてくれるのね」
「是非。色々いい人達を見てきましたけれど」
「その人達みたいになるの」
「そう考えています」
これが阿波野君の返事でした、ただお調子者のこの子は一転して急に笑ってこんなことも言ってきました。
「早く着替えて欲しいですね」
「どうしてなの?」
「だって先輩のおつとめ着姿見たいですから」
だからだというのです。
「お願い出来ますか?」
「そう言われたら何か水着に着替えるみたいで」
何故かこう思ってしまいました。
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