暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
黒星団-ブラックスターズ-part3/お出掛け
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上に自分を痛め付けるような戦いを続け、それを見るテファの心すらも結果として傷付けたシュウを良く思えなくなっていた。
別に一時の無茶を否定する気はない。テファや孤児たちを養うためには、厳重に保管されたお宝を貴族の屋敷から盗むという、危険に身を投じることも必要だったから。
でも、シュウは違った。ナイトレイダーとして人命を守る。確かにその使命に忠実ではある。でもシュウの過去を知った今、実際はそんなものは建前に過ぎないのではとすら思えてくる。誰かを守ろうとする意思そのものは本心だろうが、彼は愛梨や、この世界で出会ったアスカも含め、大勢の人々を救えなかった過去に縛られるあまり、同じウルトラマンであるサイトの助力すら拒絶し、無茶を前提とした戦いを通して必要以上に自分を痛め付けるために、ウルトラマンとして怪獣と戦うという形で、結果として無為な自傷行為を繰り返してきたのだ。
テファがシュウに寄り添おうと言う意識を尊重したから、学院の滞在(と言う名の、王室のウルトラマンへの恩返し兼テファおよびシュウの庇護)を承諾したのだが、もし今でもこれまで通り自分を苛めぬく前提でシュウが戦いに赴くつもりだったら、強引にでも二人を引き離すことも考えていた。
でも、こうしてテファが未だに離れず傍にいるところから見て、今は関係の悪化とされるようなことはないようだ。それどころか、ここしばらくシュウと一緒にいるときと比較すると、今のテファの表情は元来の明るいものに戻っている。テファの言う通り、ようやく自殺まがいな戦いを止めたのだろうか。もしそうなら、ひとまずは安心だ。自殺衝動のまま戦う男の傍にいることが、かわいい妹のためになるはずもないのだから。
「んで、さっきから気になってたんだけど、その女の子は?」
マチルダは改めてシュウに目を向けると、彼の足にくっつき続けている青い髪の幼女に目を向ける。
「リシュ。挨拶しろ」
「リシュ、です…はじめまして」
シュウに背中を押されたリシュはマチルダを相手に緊張しているのか、ややびくびくしながらも失礼のないよう気を付けながらマチルダに自己紹介した。
「へぇ、リシュっていうんだね。あたしはマチルダ。テファの保護者…お姉さんってところさ。よろしくね」
リシュの目線に合わせ、彼女の前で身をかがめてきたマチルダは、自分に挨拶したリシュの今にも縮こまっている姿が逆にかわいらしく見え、くすっと微笑みながら自分も自己紹介した。
「リシュったら、緊張しちゃったみたいね」
「あぁ、エマを引き取ったばかりの頃を思い出すよ」
テファもまた、緊張しがちなリシュの様子をほほえまし気に見つめる。
「けど、いったいどこで拾ってきたんだい?あんたたち、女王陛下の計らいで学院に保護されてるってことになってるだろ」
ただ一方で、リシュと一体どこでどのように出会ってきた
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