黒星団-ブラックスターズ-part3/お出掛け
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かけたものだ。
「ところでシュウ、サイトとシエスタさんの様子を見なくて本当によかったの?」
テファはシュウに、ルイズからの頼みごとを実行していないことを指摘する。
「今はお前のためにもチビ達の様子を見に行く方がいいだろ?後で『魅惑の妖精亭』とやらへ行けば、約束を反故にしたことにはならないさ。それに、ヴァリエールのことだ。どうせ平賀を寝取られたりしないか気にしてのことだろ。わざわざそれを阻止してやる義理もない」
「い、いいのかしら…」
それはそれでルイズから『何でちゃんとサイトを見ておかないのよ!』と文句を言われそうだと、流石にテファも察していた。マチルダや子供たちの様子を見ることの方が彼女にとっても大事なことなので文句はないのだが、ちょっとルイズがかわいそうな気もする。
「…ここがしゅーどーいんなの?」
「ええ、そうよ。ここで村に住んでいた子とマチルダ姉さんがいるの。きっとリシュとも仲良くしてくれるわ」
「リシュ、お兄ちゃんがいてくれたらそれでいいんだけどな」
興味深そうにしつつも、初めて訪れる場所で、大勢の人を相手にすることになると思ってか緊張気味のリシュにテファは背中押しの言葉を掛ける。
3人が修道院の敷地内へ入ると、マチルダが出迎えてくれた。
「テファ、しばらくぶりだね!」
「マチルダ姉さん!」
マチルダは現在、修道院で子供たちの世話をするシスターの一人として働いている。今シュウたちと話している時も、学院でロングビルを名乗っていた時と違い、シスターの服装だ。
二人はお互いの再会を祝福し合うように、顔を合わせた途端に抱擁を交わし合う。
「学院での生活は大丈夫かい?エルフだってことはバレてないか、あのセクハラじじいや他の男子共に変なことされてたりなんてことは」
「だ、丈夫よ。シュウもいてくれるから」
シュウの名前を聞くと、テファとの再会でほころばせていた笑みに陰りが生じるマチルダ。後ろを見ると、テファの言う通りシュウがそこで無言のまま佇んでいた。
「よぉ、あんたも久しぶり」
「…御無沙汰してます、マチルダさん」
会釈するシュウを、マチルダは凝視する。
「ふーん、今のところ、きっちりテファのボディガードくらいはやってくれてるみたいで安心したよ。また以前みたいに、無茶してはテファを困らせてないか気が気でなかったからね。やっぱりあたしも覚悟決めて学院に戻ろうか、何度か考えてたんだけど」
「姉さん…もうシュウはあんなことしないわ。約束したんだもの、ね?」
どこかよそよそしく他人行儀感が強い挨拶をしたシュウと、それを受けとるマチルダの間の空気から息苦しさを感じ、テファはそのようにフォローを入れる。
マチルダは自分のことを本当の妹のように可愛がり面倒を見てきてくれた。それだけに、怪獣たちから人々を守るためとはいえ、必要以
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