黒星団-ブラックスターズ-part3/お出掛け
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とです」
後は学院にいるルイズたちの元へ戻るだけ。それ以外に用があるとすれば、同じく今日トリスタニアに来たシュウたちと合流することくらいだ。でもシエスタはここで終わることを良しとしなかった。
「それともサイトさん、私と一緒はお嫌ですか?」
ぎゅっと、自分の胸が押し当たっていることを厭わずサイトにしがみ付くシエスタ。そんな二人を見て、スカロンはふむ…と腕を組んで考え込む。前々からジェシカも交えた手紙のやり取りでシエスタがサイトに好意を寄せていること自体は聞き及んでいるが、サイトの傍らにいる二人のライバルの存在もあって進展がないことも知っている。ここはひとつ、かわいい姪のために少しサイトに意地悪をしてみることにした。
「サイトちゃん、うちの姪のお願いをちゃんと聞いてくれないと、コーヒー豆はあげられないわよ?」
「えぇ!?」
さっきまで大いに協力的だったのに突如として条件を加えてきたスカロンに、サイトは声を上げた。
「なーによ、シエスタに何か不満でもあるわけ?それともサイトちゃん。あなた誰か想いを寄せてる子が他にもいるのかしら?それもシエスタが霞んじゃうくらいに」
「そ、それは…」
サイトはスカロンの問いかけに、息を詰まらせた。ふと脳裏に…なんとなくある二人の少女たちの顔が浮かんだものの、内ポケットに入れているウルトラゼロアイの固い感触を思い出し、
「その…」
はっきりそうだとは言えなかった。
「いないんだったら、別に構わないでしょ?ほら、据え膳食わぬは男の恥、というでしょう?」
「この世界でもそのことわざあるんすか…」
「ほら、経験を積むことも将来素敵な女性と出会うためにも必要なことよん。尤も、シエスタを泣かすようなことしたら許さないから、しっかりエスコートすることねん!」
ほら、こんなところでまごついてないで早くデートに行けと、スカロンは遠巻きに言いながら、サイトにシエスタを連れて出かけるように言う。
「ありがとうございます叔父さん!それではサイトさん、善は急げです!早速二人きりのデートに出かけましょう!」
「ちょ、シエスタそんな引っ張らなくてもおおおお!」
背中を押してくれた叔父への深い感謝を述べると、一秒でも時間が惜しいとばかりにシエスタはサイトを見せの外へと引っ張り出すのだった。
そんな二人を、草葉の陰から覗くように、何者かがじっと見つめていた…
同時刻、シュウとテファはマチルダとウエストウッド村の子供たちのいるトリスタニアの修道院を訪ねていた。
「子供たち、あれから元気にしているかしら」
テファは修道院の外観を見上げながらそう呟く。
シュウも、ウエストウッド村で暮らしはじめてからアルビオンの空で離別するまでの間のことを思い返しながら、子供たちを思う。守っているつもりが、随分と迷惑と心配を
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