黒星団-ブラックスターズ-part3/お出掛け
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もらいこの世界の貴族のことを聞かされた時、そしてギーシュから決闘を挑まれた時のことだ。魔法を扱えるメイジは平民にとって畏怖の対象なのだ。しかもメイジは家名を失っていない貴族が大半だから権力も盾にしてくる。だからそのブラックたちが貴族に反抗したと聞いてシエスタは驚いていた。
「あたしたち妖精亭は助かったけど、その一件で貴族に目をつけられて、それでブラックちゃんは責任を感じて、うちの店を辞めて独立して行っちゃったのよ。それからもその貴族が何度もしつこくブラックちゃんを追い回して、それで何度も店舗の場所を変えざるを得なくて、折角儲かった分のお金も引っ越し代金でぱぁになっちゃったってわけ」
コーヒーを独占しようとする悪どい貴族から逃げるために度々引っ越しを繰り返していた。それがシエスタの言っていた、幻のカフェと言われている所以なのだろう。だが今となっては本当に幻の存在となった
「そうこうしながらも元気にカフェをやってるって、会いに来て言ってくれてたんだけど、サイトちゃんたちが来るしばらく前に、帰るあてが見つかったからって引き払っちゃったのよ。今ではどこにいるのかわからないわ。寂しくなったわね…可愛くて面白い子達だったんだけどん」
スカロンは、例のカフェの面々…ブラックたちとの別れを名残惜しそうに語る。
しかしこれはこれでよくない状況だ。スカロンの協力が得られそうだが、舞踏会にて提供する予定のコーヒーが出せない事になってしまう。
そんなサイトとシエスタの心情を察し、スカロンは安心させるように笑みを浮かべる。
「でも安心なさい。あの子達ったら、お世話になったお礼にって、貴重なコーヒーを残してくれてたのよ。お店にしばらく出しても問題ないくらいの量がうちの保管庫に貯蔵してあるわん」
「本当ですか!?」
「ええ、かわいい姪とその将来の旦那様候補の頼みよん。うちの店の宣伝にもなるし、断る理由なんてないわ」
「やった!ありがとうございます叔父さん!」
「俺も、ありがとうございます!スカロ…いや、ミ・マドモアゼル!」
これぞ渡りに船、いや天の助けというべきか。危ういところではあったが、これで舞踏会への出し物の問題は解消された事になる。サイトとシエスタは飛び跳ねるよう喜んだ。
「それじゃ早速、学院に輸送する手配をしてくるわねん。それまでサイトちゃん、シエスタをデートに連れてってらっしゃいな」
「はい!?」
「はい!」
っと、ここまでは当初の予定通りだったのだが、突如としてスカロンが言い出した事にサイトは声が裏返った。一方でシエスタはこれを待っていたとばかりに二つ返事。即座にサイトの腕に自分の手を絡ませた。
「し、シエスタ…俺たちの用はもう済んだし、もう学院に戻った方が…」
「何言ってるんですか。私の用事はまだあります。サイトさんが私のお願いを聞くこ
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