黒星団-ブラックスターズ-part3/お出掛け
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?」
「は、はい…ミ・マドモアゼル…」
「トレビアーン…」
以前と変わらず、見た目は化粧をした濃いオネェ中年男だから、強烈さは凄まじい。
「でも長年この店をやってるあたしとしては、おもてなしをするみんなのためにも、ルイズちゃんたちには改めて接客業のいろはというものを学ばないといけないと思うの。もちろん手を抜く気は無いから覚悟しててねん?」
その一方で、接客業のプロ故かその辺の意識も高く、口調こそいつも通りだがそう言った時のスカロンの言葉には妙に力強さを感じた。思った以上に手厳しくルイズたちを指導するつもりらしい。だがこれは同時に、スカロンが頼もしい存在なのだと思わされる。
「ところで、シエスタから聞いていたカフェのことなんですけど」
「カフェ?あぁ、『ブラック』ちゃんたちのね。そうねん…例のコーヒーっていう飲み物については問題ないのだけどん、あの子たちからの協力は直接得られないわよ」
「え?どう言うことですか?」
コーヒーの調達は大丈夫だが、カフェの方から直接の助力は得られないと言う矛盾してるような返答に、シエスタがどう言うことかと叔父に問う。
その訳は…
「閉業してた!?」
なんと、例のカフェは既に閉業していたというのだった。
「まずはブラックちゃんたちの身の上についてから話して行くわね」
詳しい話を、スカロンは語り出した。
「あの子達、元々どこからか迷い込んできてたみたいで、お金もなく路頭に迷ってたところを住み込みで働かせる条件でうちに置いていたのよ。そしたらいお礼にって、コーヒーをくれたの。
あの子の淹れるコーヒーっていう飲み物、新種の飲み物ですごくおいしいって評判なのはシエスタちゃんたちも知ってるでしょう?うちの商品としても出したら思った以上に売れたの。貴重な飲み物だから高値で売ってたにも関わらずにね。
それを聞きつけてこの国の貴族もぜひあやかりたいってうちの店にやってきたの。でもその貴族、あのチュレンヌにも負けないくらいに酷い男だったのよ」
「ひどいって、何をされたんですか?」
「金と権力を用いて、コーヒー豆を没収しようとしたのよ。栽培中のお豆ごとね」
「うわ、マジか…」
シエスタを愛人として引き取ろうとしたモット伯爵のこともあり、貴族が欲しいもののためなら権力でねじ伏せることもあると知っていたが、まさかコーヒーのためにもそこまでするのかと聞いてサイトはその貴族への怒りと共に呆れも覚えた。
「酷いものだったわよ。しつこい上に、妖精さんたちを人質にとろうとさえしたもの。
でもその子達はその貴族に反抗して追い払ったの」
「え、貴族を追い払ったんですか!?ブラックさん、貴族相手にそんな大胆な…」
シエスタは大げさとも取れそうなほどに驚いた。サイトはその顔に覚えがあった。初めて会ったばかりの頃に賄いを分けて
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