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ユア・ブラッド・マイン─焔の騎士は焦土に佇む─
第一話 製鉄師候補と魔女候補
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いる。
 製鉄師養成学園は基本的に『OI体質者』ではない一般生徒を対象にした『普通科』ドヴェルグを志す者を対象にした『魔鉄加工科』そして製鉄師(候補)と魔女(候補)を対象にした『製鉄師科』の三つの『科』が存在する。
 しかし、聖境学園の『普通科』は数年前に現学園長──黄劉(キリュウ) 誠也(セイヤ)が就任してから撤廃された。

 ──何故、普通科を撤廃したのか? そう黄劉に問いかけた者がいた。それに対して黄劉はこう答えた。

『普通科に在籍している者は全て弱さしか所有していない弱者だ。弱さは製鉄師にとって最も不要である。普通科(弱者)による弱さの蔓延──それを防ぐための最善手が普通科などという怠惰の塊であり弱者の巣窟を消すことだっただけだ』

 その言葉は批判され、前任の学園長に戻せという話も出た。しかし、黄劉は一年で結果を出し、それらを黙らせた。
 ()()()()『製鉄師科』に所属していた全員が、一人も欠けることなく『プロ・ブラッドスミス』の道を選び、その職に就いた。
 『魔鉄加工科』のドヴェルグも全員が軍に所属することとなった。
 元々製鉄師養成学園として平凡だった聖境学園はそれから『プロ・ブラッドスミス』を志すのなら西日本なら聖境学園が真っ先に候補に挙げられるようになった。

 そして現在までそれを持続させて学年の人数は他と比べると些か少ないものの、卒業までに全ての製鉄師を『鍛鉄』以上にまで育て上げて確固たる実績を重ねている。

 さて、聖境学園の指針とブローチの関連性はというと、至って単純だ。──『強者』を作り上げるため、その一点に尽きる。
 位階はあくまでも『格』を示すものであり、製鉄師の強さを示すものではない。しかし『製鉄』位階の者がどんなに優秀な魔女と契約していても『振鉄』位階の製鉄師に勝てる可能性は低い。聖境は前者を防ぐため、もっというと『振鉄』の製鉄師候補と完成度の高い魔女候補を契約させやすくするために『格』を分かりやすいアクセサリーとして公然の場で着用することを義務付けられている。
 その上、分かりやすい格を見せることにより競争心を煽ってより強い製鉄師を育てるという役割をそのブローチは存在するだけで担っている。

 ──さて、話が逸れに逸れたが当然交流会においてもそのブローチを着用することは必須のため、氷絃はそれを胸ポケットにしまった。

「さて、向かうとするか」

 氷絃が歩き始めて十数分経つと腰まで伸びた長い綺麗な限りなく白に近い銀色の髪を一つの三つ編みにした外見年齢十二歳程の美しい女子生徒──冴空が女子寮の前に居た。彼女は氷絃を視認すると笑顔を浮かべて駆け足で彼の下に駆けつけた。

「よ、冴空。待たせて悪かったな」
「好きな人を待ってたら時間なんてあ
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