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「んで、件の部屋の主はどうだったんだ?」
二人の無謀はともかく見た目から何かしら敵について推理することは出来るだろう。蟹っぽいとか、騎士風とか、そういう情報だけでも多少は対策のしようがあるというものだ。
「えーっと、見た目は悪魔風だったな。パッと見、武装は大型剣だけ。もちろん、これだけじゃなんの参考にもならないだろうけどさ……」
「これだけ上の層だから、特殊能力もあるだろうし……。青い炎の台座とかもあったから、ブレスとか持ってるかも」
キリトの挙げた情報に追加する形で、アスナも自身の推理を述べていく。今回のボスは悪魔系モンスターということだが、今までボスモンスターに悪魔型はいなかった。これまでもそうだが、今回もまた苦戦を強いられる可能性が高そうだ。
悪魔の特殊能力とすると、俺に思いつくのは呪いなどの鬱陶しい類のデバフ攻撃だろうか。別に直接的なHPに干渉する毒系のデバフではないが、全身にずっしりとした倦怠感と、著しい筋力と敏捷のパラメータの低下が厄介だ。ソロで食らうと文字通りの絶体絶命に陥る。
「なるほどな……今の話だけだと、タンクが結構必要そうな感じか。それも盾持ちの」
「だろうな。ガードしてスイッチして、を繰り返していくしかなさそうだ」
「あ、そういや、名前は見なかったのか?」
「見たよ。確か……The Gleameyes だったかな」
「The Gleameyesね。直訳だと……光る眼、か」
脳裏に浮かんだのはギョロっとした眼を持つ、典型的な悪魔羽を広げたモンスター。しかし、それでは大剣の説明がつかない。そういう悪魔は大抵、ひょろ長いことが多い。大剣を持つような膂力があるようには思えないからだ。ということは、二足歩行型の、山羊頭な悪魔だろうか。それだと、一応大剣を持っているようなイメージは出来る。
「大剣持ちだったら、俺は打ち合えるかもしれんな。相手のステータスにもよるけどよ」
「エネバの筋力値は、反則級だからな。まあ、確かにあり得るかもしれない」
苦笑しながらキリトは肯定する。俺の筋力値は、攻略組の中でも飛び抜けている。かの聖騎士ですら、エネバというプレイヤーの筋力値だけは認めているという噂が流れるほどらしい。自身ではそんな自覚はないのだが。
確かに高いのは高い。今の俺の愛剣、ブラッド・ツヴァイの装備要求値を攻略組最古参のキリトが満たせないのだから。もちろん、能力構成に違いがある、という点では装備できなくて当然なのだが。とはいえ、現在のキリトの主武器であるエリュシデータも大概な化け物だ。初めて持たせてもらった時は、片手剣でこの重さは異常だ、と感じた。
「そういや、二人はもう飯食ったのか? もしないっていうなら……ってそんな心配はいらねえか」
一応いつでも食事に困ら
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