暁 〜小説投稿サイト〜
レーヴァティン
第百十話 都に移りその十一
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「都に向かう」
「わかったぜよ」
「そしてだ」
 英雄はさらに言った。
「やはりまずは都に向かうが」
「その途中の補給はのう」
「俺達は川沿いを進む」
 その道をというのだ。
「淀川のな」
「常に補給は川を行き来する船から受けられるぜよ」
「そうだ、このことが出来てだ」
「都にもぜよ」
「淀川から鴨川に船を入れてだ」
 その様にしてというのだ。
「都にもな」
「兵糧や武具を送ってのう」
「そしてだ」
「補給をしていくぜよ」
「補給は陸路よりもな」
 こちらを使うよりもというのだ。
「やはりな」
「川とか湖ぜよ」
「起きた世界では海も使っているが」
「わし等もぜよ」
「今回は川を使ってだ」
 そうしてというのだ。
「ものを運んでいく」
「それがいいのう」
「そうだな、ではな」
 これよりと言ってだ、そしてだった。
 英雄は実際にこの夜は鍋を食った、鍋には毒のない種類の河豚を入れてそうして葱や白菜や茸類を入れてだった。
 豆腐も入れた、そうして昆布で軽くダシを取ったその鍋を仲間達と共に食いつつこんなことを言った。
「やはり魚はいい」
「魚は鍋にしてもいいからね」
 桜子も笑いながら食べて言う。
「だからだね」
「そうだ、こうしてだ」
「楽しめるね」
「しかも酒もある」
 その酒も飲んでだ、英雄は言うのだった。
「尚更いい」
「そうだよね」
「今日も飲む、そしてな」
「食べるね」
「この河豚をな、河豚は特にな」
 この魚はというのだ、
「美味からな」
「そういえばあんた河豚好きだね」
「魚は何でも好きだがな」
 その中でもというのだ。
「実際にな」
「河豚はっていうのね」
「大好きだ」
「そうよね」
「鍋以外にも刺身も唐揚げもな」
 そうした料理もというのだ。
「好きだ」
「そうよね、だから今は」
「こうして食う、だが毒があるとな」
「どうしてもだね」
「確かな店でないとな」
 さもないと、というのだ。
「食わない」
「そうなのね」
「そうだ、河豚の毒は強い」
 このことはこの世界でも同じだ、河豚の毒であるテトロドキシンの強さは一匹で人間を二十人は殺せるのだ。
「だからな」
「気をつけてるね」
「死んでも生き返ることは出来てもな」
「毒消しの術や薬もあるしね」
 それでというのだ。
「助かるけれどね」
「しかしだ」
「毒は強いからね」
「避ける、最初からな」
「だから信頼出来るお店じゃないとね」
「俺は食わない」
 こう言ってだ、そしてだった。
 英雄はまた河豚を食った、そうしてだった。
 酒も飲んだ、そうして今は都に向かうのだった。


第百十話   完


               201
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ