496部分:冷たい墓石その四
[8]前話 [2]次話
冷たい墓石その四
「あいつ、相変わらずか」
「ひょっとしてだけれど」
「あいつの最近ってさ」
ここで四人はそれぞれ言うのだった。
「あれじゃない?お見舞いと関係あるんじゃ」
「それじゃないかしら」
「それか?」
「って思いはじめてるけれど」
「どうかしら」
「かもなあ」
春華もメンバーの言葉を聞いてそうかも、とも思うのだった。
「何かそんな雰囲気っぽいよな」
「少なくとも場所はわかったし」
「市立病院ね」
また場所が確かめられたのだった。
「そこにお見舞いに行ってるのは間違いないとしたら」
「誰かだけれど」
「とにかく聞くか」
春華は四人の話を聞きながらまた述べた。
「あいつの中学校の人探してな」
「そうね。じゃあ」
「そうする?」
「ああ、その必要はないわよ」
しかしここで五人に対して言ってきた声があった。
「それにはね。及ばないわよ」
「って少年」
「どうしてよ、それ」
「音橋の通っていた中学校よね」
「ああ、それだよ」
春華が彼女のその言葉に応える。
「何処だったっけな。そういえば」
「青柳中学よ」
そこだという明日夢だった。
「あいつそこの出身よ」
「あれ、青柳だったの」
「そこだったの」
「それでよ」
こう話したうえでさらに続ける明日夢だった。
「そこの出身の娘だったらね」
「ええ」
「知り合いがいるの?」
「私のお店にバイトで来てる娘がいるから」
「えっ、そうだったの」
「スタープラチナにいたの」
皆今の明日夢の言葉を聞いてまずはその目を丸くさせたのだった。
「スタープラチナにいたんだ」
「そうだったの」
「いるわよ。梓ちゃんね」
名前も言うのだった。
「カラオケの方でアルバイトしてるわよ」
「カラオケって」
「いつも行ってるけれど」
「そんな娘いたのかよ」
五人は今は明日夢の話の方に驚いていた。
「何か凄い身近にいたのね」
「凄いびっくりしたわ」
「それでよ。いるけれど」
五人に対してさらに話す明日夢だった。
「どうするの?会いたい」
「ええ、勿論」
「ちょっとね」
「あいつのこと知りたくてよ」
すぐに明日夢に言う五人だった。
「じゃあ今日もスタープラチナで」
「で、少年」
静華が明日夢に尋ねる。
「その娘今日お店にいるのよね」
「ええ、いるわよ」
にこりと笑って静華の今の問いに答える明日夢だった。
「ちゃんとね。いるわよ」
「よし、じゃあ今日もスタープラチナね」
「行くわよ」
五人は今の明日夢の言葉に会心の顔になった。そうしてそのうえでそれぞれ顔を見合わせてそのうえで頷き合うのであった。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ