第百五十一話
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第百五十一話 スパゲティから
ネーロ、イカ墨のそのスパゲティも来た、それでだった。
二人はそのスパゲティも食べた、そうしつつ雪路は言った。
「このスパゲティもですね」
「美味しいわね」
「はい」
こうカーミラに答えた。
「とても」
「実はドイツでもよく食べられるのよ」
「このスパゲティは」
「いえ、スパゲティ全体がね」
「そうなのですか」
「ドイツは伝統的にイタリアが好きだから」
それでというのだ。
「イタリア料理も人気があってね」
「スパゲティもなんですね」
「ヒトラーも好きだったし」
「菜食主義とは聞いていました」
雪路もこのことは知っていた。
「それでお酒も煙草も口にしなかったと」
「そうよ、ヒトラーは個人としては真面目で清潔だったのよ」
悪名高き独裁者であたたがというのだ。
「それで食事もね」
「菜食主義で」
「スパゲティが好きだったのよ」
「そうだったんですね」
「それで他のドイツ人達もね」
その彼等もというのだ。
「よく食べているのよ」
「そうなんですね」
「オーストリアでもそうだし」
この国でもというのだ。
「私も好きよ」
「それで今もですね」
「貴女と食べてワインもね」
その赤ワインを飲む、大蒜とオリーブオイルを利かせたスペゲティによく合っていて実に美味い。
「こうしてね」
「飲まれますね」
「貴女も飲んでね」
「はい、確かにスパゲティにもよく合いますね」
ワインはとだ、雪路も飲みつつ応えた。
「本当に」
「ではね」
「今もですね」
「ワインを飲んでデザートもね」
こちらもというのだ。
「楽しみましょう、デザートの時もね」
「ワインですね」
「それを飲みましょう」
是非にと言うのだった。
「お昼は好きなだけね」
「飲みますか」
「ええ」
頷いてだ、そうしてまた飲むのだった。
第百五十一話 完
2019・4・18
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