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ドリトル先生と姫路城のお姫様
第六幕その五

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「それは」
「イギリスでは信じられないね」
「想像出来ないですね」
「イギリス王家は幽霊とは関係が深いけれどね」
「はい、とても」
 このことはトミーもご存知です。
「ロンドン塔にしましても」
「イギリスはとにかく幽霊のお話が多くてね」
「それで、ですよね」
「そのうえでね」
 まさにというのです。
「幽霊とは縁が深いけれどね」
「妖精とも、とは」
「いかないからね」
「日本の皇室とイギリスの王室はそこも違いますね」
「何というか凄く不思議なお家だよ」
 先生は姫路城の天守閣、神社もあるその中で思うのでした。今皆は四階にいてその中を見回っています。
「日本の皇室は」
「ただ歴史が長いだけじゃないですね」
「うん、グレートブリテン島に国家が出来る前から存在していてね」
「信仰もですね」
「非常にね」
 まさにというのです。
「独特でね」
「それで、ですね」
「妖怪とも縁があるから」
「じゃあおさかべ姫も」
「そうかもね、別にまつろわぬ存在でもないみたいだし」
 先生は少し考えるお亜子になってこうも言うのでした。
「ここのお姫様はね」
「そうなんですね」
「うん、邪なものも感じられないし」
「むしろ神様に近いとは」
「天守物語を見ると特にね」
 今先生が研究しているこの作品にしてもというのです。
「神様、女神に近い面もあるよ」
「妖怪といっても」
「そう思うよ、僕としてはね」
 先生の視点からするとです。
「日本の妖怪ではよくあることだけれどね」
「いやあ、何ていうか」
「日本の妖怪って面白いね」
「四国の狸さんや獺さん、京都の狐さんもそうだったけれどね」
「お静さんもね」
「そうだったけれど」
「そうだね、外見は違ってもね」
 先生は動物の皆にもお話します。
「人間と同じ様な性格だよ」
「そうだね」
「悪い妖怪もいるけれどね」
「ユーモアもあるしね」
「何処か憎めなかったりして」
「お姫様みたいな奇麗な妖怪もいたり」
「妖精と同じ様でまた違う魅力があるよ」
 自然とです、上を見上げて言った先生でした。
「日本の妖怪はね」
「それが魅力でね」
「人気があってね」
「愛されてるのよね」
「それが日本の妖怪達で兵庫県だと」
 まさにこの県ならというのです。
「総大将はね」
「ここのお姫様で」
「だからね」
「これから僕達もね」
「是非共ね」
「お会い出来たらね」
「お話したいね、とはいっても」
 ここでこうも言った先生でした。
「このお城はどうなるかは」
「それはね」
「私達が聞いてもね」
「それがどうなるか」
「そのことはね」
「あまりこれといって」
「関係ないわね」
 動物の皆も言いました。
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