第7章:神界大戦
第210話「洗脳と抵抗」
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制する。
とこよは刀を持っていない。刀は洗脳された方が持っていたからだ。
そのため、とこよは中衛を担当する事になった。
「おおっと、あたしの相手はあたしに決まっているだろう?」
「っ……!」
一方で、紫陽は敵の紫陽を引き離す事に成功していた。
どちらも得意なのは術による後方支援だ。
そのため、前衛と引き離すのは定石だった。
「洗脳した程度で……あたし達を舐めるなよ!」
例え力の差で負けていようと、それは敗北と同義ではない。
力を削がれたはずなのに、三人は反撃するかの如く二人に食らいついた。
「う……ぐ………」
洗脳を受けた者、それに抵抗する者。
それらの様子を、神夜は少し離れた位置から見ていた。
彼もまた、洗脳によって苦しんでいる。
「く、そ……!」
他と違うのは、洗脳の力がはやて達よりもさらに弱い事。
そして、彼を助ける者が今周りにいない事だった。
「ぁ……ぐ……」
助ける者がいないのは、神夜の周りにいた者が、全員神の相手に手一杯だからだ。
助けようと動いた者を、他の神によって妨害されていた。
「(抵抗する“意志”があればって……そんなの、出来ないじゃないか……!)」
神夜が洗脳の効果を受ける訳は、魅了の力が影響している。
魅了は元々イリスが与えた力なため、一部とはいえ神夜はとっくにイリスの支配下だ。
そのため、洗脳の影響を一部とはいえ受けてしまったのだ。
「(俺は、何のために、なんで、ここに……)」
頭に響く鈍痛。洗脳の効果が頭痛となって神夜を襲う。
その中で、ふと神夜はなぜここにいるのか見つめ直してしまう。
「(……そうだ。神界が……なんで、神界の神が……?目的は……優輝を狙って?優輝がいたから……?優輝のせい……?)」
思考が偏っていく。
かつてあった優輝に対する敵意が、再び燻る。
優輝がいたから、優輝のせいだと、響く痛みの中、そう考える。
「(優輝が……優輝が……優輝が……!)」
―――「……だったら、その鬱憤はお前に力を押し付けた元凶にぶつけてやれ」
「ッ―――!」
洗脳で自我を失いそうになった時、ふと帝の言葉を思い出す。
「(そうだ。俺は、俺に魅了の力を押し付けた神を……ああ、そうだ……!)」
きっかけにしては弱い。
だが、そうだとしても。
神夜の“正義”に炎を付けるには十分だった。
「……ふざけるな……!」
神夜は元々善人の気質だ。ただ、思い込
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