第7章:神界大戦
第210話「洗脳と抵抗」
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勢が崩れ、そこへとこよの斬り返しが迫る。
上体を逸らしてその攻撃を躱すも、追撃はそのままでは躱せない。
逸らした上体を戻すと同時に、その一撃を刀で受ける。
しかし、体勢を直しきれていないため、横へと吹き飛ばされる。
「くっ、“扇技・護法障壁”!!」
「甘い」
―――“瓢纏槍-真髄-”
その瞬間、霊力を練っていた紫陽から霊術が放たれる。
溜めがあった分、その霊術の威力は凄まじく、容易く障壁が破られる。
刀の刃を霊術に向ける事で、霊術の風の槍は三つとも直撃せずに済む。
しかし、ダメージは重く、大きく吹き飛ばされてしまった。
「ッ――――」
受け身を取り、顔を上げた時にはもう遅かった。
吹き飛んだ鈴を追うように、とこよが肉薄。
既に攻撃が繰り出されており、刀が鈴の首を捉えていた。
鈴が知覚した時には、既に鈴の首に刃が当たっていた。
「っ!?」
「吹き飛びなぁ!」
―――“瓢纏槍”
しかし、それ以上刃が進む事はなく、鈴の首も飛ばなかった。
鈴の後ろから、飛び出すようにもう一人のとこよが飛び出し、槍で刀を防いだのだ。
それだけじゃなく、もう一人の紫陽が、目の前のとこよを霊術で吹き飛ばした。
「くっ……!」
「大丈夫、鈴さん!?」
「とこよ……?どうして……」
なぜ、とこよと紫陽が二人ずついるのか。
鈴は二人が洗脳される様をすぐ横で見ていたのだ。
故に、操られている二人が本物のはず。
しかし、後から現れた二人は鈴の味方をし、洗脳された二人に敵意を向けている。
「……そう、式神ね」
「正解。あの一瞬、何とかあたし達の“陽の側面”を型紙に移したのさ。咄嗟すぎて、肝心の型紙を破られまいと遠くに投げてしまったけどね」
答えは単純。二人が別の“器”を用意しており、意識をそちらに移しておいたのだ。
幽世の住人とはいえ、二人は陰陽に通ずるもの。
自身を光と闇に分ける事も出来、そのおかげで洗脳の影響下から逃れていた。
「生憎、力の大半はあっち持ちだ。三対二でようやく相手出来る……ってとこさね」
「今は鈴さんと同じぐらいの強さになってるよ」
「そう。……まぁ、一人じゃないならいいわ」
二人が参戦した事で、操られている方も警戒していた。
その間に構え直し、改めて対峙する。
「さっさと片付けるよ。ここで躓いてられないさね」
「ええ!」
「分かってるよ!」
飛び出してくる敵のとこよに対し、鈴が前に出る。
一歩遅れる形でとこよが追従し、矢で牽
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