第三章
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「正直いきなり襲い掛かって来ないと」
「心配無用よね」
「別にね」
「お昼にいきなり襲って来るとかないし」
「これは人もだし」
三人共このことからも安心していた、実際にその妖怪はお寺の入り口を掃き掃除しているだけであった。
そして三人はそのままマンションに帰った、だがその妖怪が何であったのかは気になってそれでだった。
また三人で集まった時に京香が言った。
「あの妖怪のことネットで調べたら」
「お歯黒べったりね」
「その妖怪よね」
瑞希も望美もすぐに言ってきた、集まっているのは前の喫茶店で三人共今注文しているのはアイスミルクティーだ。コーヒーはない。
「結婚出来なかった女の人がなるのよね」
「死んでからね」
「お歯黒は昔結婚した人がしてたし」
「それが結婚願望を表してるってことね」
「ネットで検索したらすぐ出たわね」
京香はこうも言った。
「本当に」
「日本の妖怪調べたら」
「本当にすぐ出たわね」
「もうすぐにわかって」
「拍子抜けした位よ」
「何ていうか」
京香はストローで紅茶を飲みつつ述べた、冷えたミルクティーも実に美味い。
「すぐにわかったわ、しかも特にね」
「人に何もしない」
「そうした妖怪だから」
「怖くないわね」
「目とお鼻がないだけで」
「まあそんな妖怪なら」
京香はこうも言った。
「今度会っても怖くないわね」
「けれど」
望美はここで気の毒に思う顔になって話した。
「結婚したかったけれど出来なくて死んだとか」
「可哀想よね」
瑞希は望美と同じ顔になって彼女に応えた。
「やっぱり」
「そうよね」
「私達は幸い結婚出来てるけれど」
「子供もいてね」
「それ自体がね」
「幸せかも知れないわね」
「些細なことだけれど」
よくある話だというのだ、結婚して子供がいることは。
「それ自体がね」
「幸せなことよね」
「本当にね」
「それでお嫁さんにしてあげるって言えば」
お歯黒べったりにとだ、京香は二人にあらためて話した。
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